おっぱいバレー〜女子は黙ってた方がいいと思いまーす


静岡ピカデリーZEROで20:00の回。客入りは20人ほど。
でもなー、おっぱいな青春映画で、30代後半の俺が最年少で、客の平均年齢推定55歳ってのはどうよ?
おっぱいっつえば、「おっぱい」って言いにくいから「おっぱいバレー」略してOPVでもチケットが買えます、って、そっちの方が恥ずかしいだろ、jk。

その点、ピカデリーZEROはいいよ。なにせ単館だから、タイトルを言う必要がない。
「1枚」とかで済んじゃう。つーか1枚もクソもここ、そもそもチケット発券しないしな。普通のレジで売上上げて、レシート渡してくる。


原作の舞台は静岡の三ケ日なんだけど、映画の舞台は北九州に変更されている。

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水野 宗徳

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これには重大な理由がある。
細かいところまで1979年になっていて、よく作ってあるというか、現代の要素を全て抜いた絵になってるの。スクリーンに2008年の痕跡が一切ない。これ、すげーよ。静岡県内が舞台じゃ絶対無理。いや、どうなんだろうね、伊豆の山奥とかなら出来たかもしれないけど、でもスケールで言ったら取り残された炭鉱町につながる文化を持つ筑豊地方は、こういうことに関しては最強だろうね。


「ALWAYS 3丁目の夕陽」以降、昔の日本を舞台にノスタルジーを煽るような邦画がずいぶんあったけど、昔のセットを作るか、適当に昔を混ぜてごまかすか、どっちかだった。ここまで徹底的に現代を排除したリアルな昭和世界に、まずは最大限の喝采を送りたい。
鉄オタである俺から言わせれば、やっぱり昔の電車の釣り掛けモーター音ってのはたまらないものがあってさ、とか、元古本屋の俺から言わせてもらえば、昔のバレーボールマガジンにそんなに折り目をつけちゃってもいいの?!とか、見る人の属性によってこの作品の時代考証のすごさはそれぞれに分かるはず。
強いて言えば、綾瀬はるかが現代っぽ過ぎなのが難点ではあるけど。


やる気のない、今で言うオタクの吹き溜まりとでも言うべき男子バレーボール部。
ガキの演技が素人に毛の生えた程度で序盤はグダグダなんだけど話が進むにつれてしっかりしてくるんだ、これが。その辺も後半になるにつれて盛り上がるようなリズムを作ってるんだろう。
2時間に満たない映画、気がついたら夢中になって終わってた。


70年代後半から80年代前半の雰囲気を、当時のヒット曲を始めとする文化が盛り上げていく。
人によってハマるツボはそれぞれのようで、あちこちで苦笑いが起きてた。
俺のツボにハマったのは11PMというテレビ番組が昔あってさ、修学旅行なんかの時に見ようとすると、決まってエロくないのな、それこそ釣り特集とかで。


つーかさ、俺の中学校の修学旅行のときに温泉のホテルのスイートルームみたいなところに泊まったのよ。ツインルームに次の間がついててさ。豪勢じゃねーよ、その部屋に10人だかで泊まったんだから。じゃんけんで勝った奴がツインのベッドで、負けた俺らは次の間でごろ寝w
新婚旅行で泊まるような部屋で、ここでみんなセックスしてるんだぜー、みたいなノリの中学3年生。
有料テレビで11PMを見ようとドキドキしながら売店で両替したら、そもそもテレビが映らないように設定されてたw
そんなことを思い出しながら見てたよ。


この映画には女子に触れて欲しくない男子の聖域が、ものの見事に再現されてたよ。で、その聖域をぶち壊すのは必ず女子に煽られた大人なんだけどさ。



俺よりはちょっと世代が上で、音楽とか、ノレない部分はあったんだけど、話としてオチもついて救いもあるし、明日につながる何かが残ったし、東映綾瀬はるかということでハードルを下げてたせいもあって結構満足した。
目的は何でもいいんだ、とにかく一生懸命頑張ってみることが大事なんだって。


「道標ない旅」永井龍雲
ヒット曲が多く使われる中、初めて聞いたのがこの曲。
こういう雰囲気、苦手なんだけど印象に残る名曲がこの時代には多かったんだろうなぁ。