いびつな高速バス競争のおこぼれ

静岡から東京まで、高速バスで1,630円だってさ。いやはや、信じられない時代が来たね。往復で5000円の時代から、往復で3000円の時代か。青春18きっぷに近い状態だよ。
ちょうど6月は東京に行く機会が増えそうだから、実に助かる。

来たる6月10日『東名ハイウェイバス』と夜行便『ドリーム号』はおかげさまで開業40周年を迎えます。
弊社では、日頃のご利用に感謝をこめて、記念キャンペーンを実施いたします。この機会にますます便利でお得なJR東海バスをご利用頂きますようご案内いたします。

◆商品名
『スーパー早売』

◆商品内容
6月1日(月)〜6月30日(火)の期間に名古屋〜東京・新宿間を運行する以下のバスをご利用のお客様が、指定日までに「早売1・3・14」きっぷを購入されると『スーパー早売』として運賃を40%割引させて頂きます。さらに「高速バスネット」上でクレジットカードでお支払いいただくと「ネット割」2〜5%が適用され更にお得にご利用いただけます。

http://www.jrtbinm.co.jp/topics/tp_detail.jsp?id=463

つーんだけど、40周年の記念キャンペーンなんて嘘っぱちだろ。結局、東京名古屋間を走る格安ツアーバス対策。
この「キャンペーン」じゃ静岡だと東名静岡停車の超特急便しか関係ないもん。


高速バスについては先月、静岡の高速バスがらみだと名の売れてる某はてなブロガーに言及したら、話の通じない提灯持ちの名無しどもが湧いて出て不快な思いをしたのであまり書きたくないんだけど、要はJRハイウェイバスにはここまで値下げ余地があるのにやらない、ってことだよな。
その値下げ余地は普段は全て経営陣と株主の懐に入ってるわけで、ドライバーにも利用者にも還元されてないわけだ。で、格安都市間ツアーバスでケツに火がつくと吐き出す、と。
逆にケツに火がついてないところは放置、と。
名鉄との競合区間だけ優遇して、静岡では313系導入してもロングシート仕様というJR東海と構造は一緒なんだよ。


経済自由主義に基づく競争には弊害は多くあるんだけど、それは主に過剰な競争の問題であって、そもそも過剰な保護政策で競争自体が成り立たないケースはそれ以前の問題なんだよ。
もっとも競争が始まると必ず過当競争に行き着いてしまうのが資本主義の限界なんだけどさ。


でも、だからといって現行の資本主義の社会に生きる以上、競争のメリットを自分だけが受けられないという状況に反発してメリットを求める姿勢は当然のことだと思うし、そのために競争を求めるのは自然な成り行き。
徹底した競争でそのメリットもデメリットもあわせて飲み込むか、まったく競争のない体制でそのメリットもデメリットもあわせて飲み込むか、そのどちらかしか選択したくない。
一部で徹底した競争があって、その競争のメリットがないのにデメリットだけ味わうなんて真っ平ごめんだね。
都市間ツアーバスを否定する奴は次の総選挙で共産党に投票して、共産主義経済を目指そうよ。俺はそれでも全然構わない。


次の問題として、競争とは何か、という話があるわけだ。
都市間ツアーバスは形式的には合法でも、実態は違法なのが実情。この状態を否定するなら法治国家をやめよう。このブログでも何回か書いてるけど、そもそも日本は法治国家じゃないしさ、
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20090306/p1
法治国家という建前をやめて、みんなで日本は人治国家だと認めればいいだけの話。
日本は法治国家で、でもツアーバスは取り締まる、どんなワガママだよ。
このへんの理屈が路線バス厨には通じない。多分、生活の実感がないからだろうな。


こういうことを書いていくと、いや大事なのは公平な競争だ、とか言い出す奴が出てくるんだけど、公平つーのも垂直的公平と水平的公平の2種類あってさ。
そこんとこ考えたことあるのか、つー話だよ。まー、路線バス厨はねーだろうけどさ。


静岡でもツアーバス参入が始まって、街中で見かけるウィラートラベルやキラキラ号を見る限り全然定着してないけど、頑張って欲しい。