人が倒れています


材木町の大村医院で救命講習を受けてきた。
7-8年位前にも受けてるんだけど、さっぱり覚えてない。


今回の講習は主に東海大地震を想定したもので、話の中には東海大地震に向けて医師や行政がどういう準備をしているのか、たとえば死体は中央体育館に集めてまとめて検視するとか、そんな話がゴロゴロ出て来た。
講師の大村純先生は熱血漢で、googleで検索すると、市民のトリアージを普及させる活動を精力的にしている姿がいくらでも出てくる。
http://www.asahikako.jp/person/person_03.html
喋りがあまりにも熱血で情報量も多くて、メモが全然間に合わねえw


クラッシュ症候群について。
長時間圧迫された状態から救出された後に、壊死した細胞から流出したカリウムが心臓を止めたり、ミオグロビンが急性腎不全を起こしたりするため、透析が必要。脱水症状になるので水分補給も。
トリアージ表では、まず最初に2時間以上はさまれていたら自動的に赤タグ。
http://triage.web.fc2.com/simin-tori.htm


ラップ療法について。
俺も去年、バイクでぶつかって湿潤療法を取って、結局傷跡が残ってしまった。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20080721
でもこれは間違ったやり方で、受傷直後にやらなきゃいけなかった。受傷直後、とは6時間までがゴールデンタイムとのこと。
6時間以内に流水で洗えれば、そのままラップ巻きしていいようだ。震災時には薬品類が欠乏するわけで、重宝しそうな知識。


骨折について。
骨折はしばらく放置しておいてもいい、ただし骨が見える開放骨折の場合は血栓が出来て骨髄炎を起こしたりするので搬送の必要あり。
雑誌やスーパーの袋で三角巾の代わりになる。


で、人工呼吸から心臓マッサージ、AEDまでの一連の流れの実習。
とりあえずまずビデオを見る。
「人が倒れています」
いやー、人間の記憶ってのは何かのきっかけで一遍で戻ってくるっつーけど、本当だね。
「人が倒れています」
これはマジックワードだった。

「人が倒れてるときに、倒れてる人を指差して、人が倒れています、って言うバカがどこにいるんだよ」
そう言ってみんなで笑ったことがある。


でもな、嫌々受けるカリキュラム化された講習ならそれでいいけど、今回のような場合は別で。
アドリブでいろんな状況が加わる。つまらないことでも、ひとつ加わると、手順がひとつ抜けるのよ。ひとつ抜けるとパニくって、あとがガタガタになる。そんなときにどうやって手順に復帰するかというと、結局はバカのようにパターン化されたマジックワードに行き着くんだわ。


だから俺、どっかで人が倒れてヤバイような状態に行き合わせたら、あるいは東海大地震が起きて目の前に誰か倒れてたら、絶対に指差して「人が倒れています」って言おう、って思った。
そこから始めるのが確実だもん。