ハヤシもあるでよ

静岡伊勢丹向かいのパン屋の2階、レストラン・フランセが閉店だそうで。

パンの食べ放題もあるし、ランチは3時までだし、3時以降もワンコインパスタ(500円)なんかもやっていて、ランチタイムを逃したときなんかには重宝していたんだが。

レストランフランセ閉店 | テツの静岡生活 - 楽天ブログ

俺は正午に昼飯を食うのが落ち着かないタチなので重宝してた。それに去年後半からはコンセントも貸してもらえるフレッツ・スポットとしてよく使ってた。味もファミレスとは比べ物にならないと思うんだけどなー。

つーか前々からうっすら思ってたんだけど、静岡ってデミグラスソースの美味い店が多いんじゃない?

レストラン・フランセ〜フレッツ・スポット巡礼 - NOW HERE

橋亭とかでみぐら亭とかが代表的だと思う。


俺は子供の頃から辛いものが苦手で、給食のカレー汁にはずいぶん難儀したもんだ。ちなみに俺の反社会的性向の根源にはカレーライスに対する恨みがあるのよ。
飯盒炊爨のメニューは多数決でカレーだし、キャンプのメニューは多数決でカレーだし、誕生パーティに招かれればカレーを食わされ、トドメは昭和57年の「全国一斉統一献立の日」だよ。

1月22日、日本中の小中学生が一斉にカレー給食を食べようとしていた! 学校に通知された「統一献立」は、カレー、ごはん、副菜、牛乳、デザート。なぜ そんなことが行われたのか? 給食の存続をアピールしたかった全国学校栄養士協議会。「国家統制」につながるとして反対運動を繰り広げた日教組。双方の奮 闘を描く。

http://www.nhk.or.jp/himekuri/library/s57.html

結構大きなニュースだった。俺にとってもある意味命がけの戦いだったんだけど、
子供はみんな好きだから、って理由で屈辱のカレーを味わうことになったわけだ。
この時に小学生の俺は悟ったね。お気楽マジョリティが命がけマイノリティをやすやすと駆逐する危険性を秘めている以上、民主主義はクソである、と。


それはさておき、函館に越してからはカレーに悩まされることはなくなった。なぜなら函館では炊事遠足にジンギスカン、キャンプにジンギスカン、花見にジンギスカン、運動会にジンギスカン、飯を食う行事は全てジンギスカンだったからだ。
学校以外でカレーライスを食うことはなくて、親父もカレーがイマイチすきじゃないと言うこともあって、実家の食卓にカレーが乗ることはなかった。ただその分、シチューとかハヤシライスが多かった。俺はハヤシライスが大好きになった。


このハヤシライスというメニュー、その昔は庶民の気軽な洋食だったそうだ。というのも、昔の肉の流通は今のように細かく部位別に分かれてなくて、必ず要らない部分というものが出たそうだ。そこを有効利用したのがハヤシライス。
ところが今ではハヤシライスに使う肉や骨はわざわざ仕入れなきゃいけない。そのために高級料理になったんだそうだ。


缶詰とかを使ってる店は別にして、まともにハヤシライスを作ってる店で食うと、値段が張って仕方がない。橋亭だと800円、でみぐら亭だと1029円だよ。
そうおいそれと食えるものじゃないハヤシライスなんだけど、昼限定で650円で食える店がある。
俺が普段からお世話になってるうだがわ厨房・山十静岡市葵区人宿町1-3-10)なんだけど、去年の秋からランチを始めてハヤシライスを出してる。これが旨いんだ。
もともとはオムライスにかけるソースとしてデミグラスを作ってるということもあって、甘みがなく、苦味を感じる寸前のギリギリの一線で深いコクを演出してる。

オムライスはオムライスで卵の中のバターライスがリゾットのようにしっとりと馴染んでる逸品。
付け合せも野菜のドレッシングは自家製だし、ペンネにはサクサクする粉が振ってある。
味噌汁までついて650円、プラス100円でコーヒーが付く、味と量と値段とを考えて、これ以上にリーズナブルなランチが静岡の街中にあったら教えて欲しいくらいだ。