ボトムアップ社会実現のためにもベーシック・インカムが必要


地球号食堂というテレビ朝日の番組で、「凍みこんにゃく」なる食物が取り上げられていた。
凍み豆腐と同様に天然のフリーズドライをしたこんにゃく。好き好みで言えば、俺の好みではないっぽいんだけど、こういう食文化が日本にはあった、という話。
で、例によって後継者難。老夫婦が作ってるけど、半人前の商売にしかならないから息子は継がないし、老夫婦も継がせたくない。
日本中でこういうものは多いと思うんだよね。老人が年金をもらいながらほそぼそと守ってるようなものが。

幻の凍みこんにゃく(12枚)

年寄りが守ってる伝統文化だけじゃない。若い衆が作ろうとしている新しい文化だって、それじゃ半人前しかメシが食えないから結局断念して消えていく。
じゃあ断念した若い衆がどんな仕事をしてるかって、労働力市場のダンピング競争に参戦させられて、むりやりゼニを使って経済を回そうという無駄遣い政策にタカってる。


もはやこの国では、トップダウンでの産業創造はありえない。なぜなら経済振興策とは官僚と政治家と財界が、あるいはその下では公務員と外郭団体とその出入りのオヤジたちが、顔なじみのお仲間内でゼニをグルグル回して、いい仕事をしました的なアリバイ作りをしてるだけだからだ。
ゼニ持ってるヤツが自分の取り分を増やしながら出す政策なんて、もう出尽くしてるだろ。


だいたい経済対策とか言って、やれなんとか制度だの、やれなんとか助成金だの、やれなんとか融資だの、ワケわかんねー制度をいっぱい作って、そのあげくがどうよ?結局要領のいい衆がうまいこと立ちまわってそれらをガメてるだけじゃねーか?
複雑な制度を熟知して立ち回れる衆が儲かる仕組みづくり、ってなにそれ?助成金や支援制度をうまく活用する、もしかしてそれが一つの業務として成立して、あるいは下手すりゃ補助金をもらう産業として成立してるんじゃねーの、この国では?

雇用調整助成金の申請は社員数300名以上では48.3%が既に申請を済ませているが、社員数1〜5名の会社ではわずか0.9%であった。

http://www.imi.ne.jp/blogs/research/2010/01/100121_koyou.html

社員数1〜5名の会社で、雇用調整助成金みたいな、簡単で小難しい制度を調べてるほど暇な衆がどんだけいるんだよ?それだけ余裕のない衆のところにゼニが回んねーシステム作って喜んでやがる、クソどもが。


だからベーシック・インカムを、と俺は思ってる。
半人前の稼ぎにしかならない商売でも、最低所得補償があれば合わせ技で一人前の稼ぎになる。
その時に、新しい文化と新しい産業が生まれる。そしてボトムアップの新しい国が生まれる。ゼニを持ってる衆は、それが怖いのかもしれない。