ダーリンは外国人〜異文化エッセイがなぜラブストーリーに?
静岡東宝6階で17:10の回。客入りは26人。うち一人客は俺だけ。
よく映画を一人で見に行くのが恥ずかしい、とかいう衆がいて驚くんだけど、少なくとも七間町の映画館街に限って言えば、一人客は普通。
ところがやっぱり一人客というのは感性が鋭い上に行動に制約がないから、この手の地雷映画をヒョイと避けるんだよなー。
俺も正直なところ予告編を見て、地雷映画の火薬臭を薄々感じてはいたんだ。でも、原作が良かったし、なにより映画が好きだから、ちょっとでも良さそうと思ったら見に行っちゃうんだよ。
いやーーーーーーーーーーーーー、しっかし近年稀に見るひでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー映画だった。
以前に「日本人の知らない日本語」について書いたことがある。
日本人の知らない日本語2 - NOW HERE
この本の原点はこの映画の原作でもあるこの本だと思う。
ダーリンは外国人―外国人の彼と結婚したら、どーなるの?ルポ。 | |
おすすめ平均 この漫画の良さは、ダーリンのキャラにあるように思います。 受け入れるということ ちょっと便利 JR京浜東北線で 極めて不愉快です Amazonで詳しく見る by G-Tools |
当初は快作だと思ってたんだけどねー。続編が出る度に質が暴落していくんだわ。ここまで劣化するシリーズも珍しい。
要は漫画家としての力量が足りないんだろうね。ダーリンであるトニーの存在が目新しかったのがウケただけで。そこにおんぶに抱っこでネタ切れがモロに作品に反映される、と。
そんな原作が映画化された経緯はよく分からん。
しかしこの原作のどこをどう転がしたらこんな映画になるのか、さっぱり理解不明だ。どっかででっち上げた廃れたトレンディードラマのような安っぽい国際結婚のエピソードに、ちょっと日本語ネタをパラパラふりかけただけのシロモノ、よくもまあ公開したよ。その心臓の強さに感心する。
だってさー、原作には全くない父親の結婚反対エピソードとか、ひどいよ。なにせこの父親が急死するんだもん。しかも密かに英会話を勉強するためにテキストを買っていて、その見返しには「娘をよろしく、君はファミリーだ」なんて英語で書き込んであるの。
こんな俺が一番笑えた場面で、どっかの女が泣いてたりするの。俺はここに国際結婚以上のカルチャーギャップを感じたね。
もともと読み切りのエッセイ漫画、いいネタはこんなにあるのに番宣にしか使わないんだもんなー。なにを考えてるのやら。