小人プロレスについて 3 8時だよ!全員集合!の話


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の続きを書いてるうちにワッシュさんのぐうの音も出ないまとめが出たので、

 

washburn1975.hatenablog.com


ほんと個人的な認識を書くことに特化しますよ。
角掛仁に怒鳴られながらなにを見てきたのか、という話をすると、時代はいきなりクラッシュギャルズ全盛期に飛びます。

 

実はその飛んでいる間、小人プロレスとの接点はなく、なにが起きていたのか、よくわかりません。
その分からない時期に、小人プロレスと人権との話になると必ず持ち出される「8時だよ!全員集合!事件」がありました。

 

この事件、俺が認識しているネトウヨの主張をまとめるとこういうことになります。
「超人気番組だった8時だよ!全員集合!に、超人気だった小人プロレスラーが小人プロレスの存亡を賭けてレギュラー出演してコーナーを持っていて、それが超面白くて超話題になったけど、超人権団体が超クレームを超入れたために超降板させられ、仕事が超なくなった超小人プロレスラーは超生活保護を超受けるようになった」

 

正直、当時この出来事を知りませんでした。
というのも親が超厳しくて、民放なんか見てたら超馬鹿になる、ということでドリフなんかテレビで見たことがなかったからです。
翌日、登校すると友達の話題についていけずに苦労したのですが、それでもこの時期は環境に恵まれていて、いろいろ内容を教えてもらってたので一通り知っていたつもりです。
でも小人の話なんか聞いた覚えがありません。

 

とはいえ、水戸黄門なんかもルールを知らなくて、クリスマス会の寸劇で水戸黄門をやった時に印籠が出てきたら被害者の善人まで土下座するとは思わず、黄門様の横に町人として棒立ちして恥ずかしい思いをしてるので、知らないことをなかったことと力説するつもりはありません。

だからドリフの話が出るたびに、最近だと志村けんが死んだときとか、小人が出てたって覚えてる?って聞くのですが、知ってる覚えてるって人はほとんどいません。
たまに、言われてみればいたような気がする、程度の答えが返ってくるに過ぎません。

 

後年調べた話、コント中に脈絡なくミスターポーンが走ってきて、場をひっかきまわして走り去る、要は一種の出オチのような芸が一瞬ウケたようです。
出オチも立派な芸ですし、一瞬でもウケるというのは大したことではありますけどね。
ただコーナー持ってて超面白くて超話題になったか、と言われるとどうなんだろうね、って。

 

次にクレームのクダリですけど、本当に超クレームあったのかというと、これも結構疑問があって。
というのも、この頃って日常的に便所の落書き的差別があった時代で、俺もエッタとかオマンコとかいう言葉はリアル公衆便所の落書きで知ったようなもんです。もちろんそれら差別と戦っていた人たちも大勢いて、その戦いの中では無理筋なもの、または事実上の強制力の行使があったようにも認識しています。

その最も激しい時期に、差別を表に出したクレームに対して過敏になって、今から見れば笑えるレベルの自主規制も行われていた時代に、たとえそれがほんの少数のクレームであっても過剰反応があっても自然なことだと思います。
その時に「いやあ、クレームが1件来たから降板ね」とは言えないと思うんですよ。超クレームが来た、って説明になるんじゃないでしょうか。
というのがまず一つ。

 

ただ、それなりにはクレームがあったんだろうな、というのは容易に想像も出来るんです。
話はクラッシュギャルズ全盛期のお姉さまにさかのぼります。つーか、さかのぼるのか?
ここでの話はさかのぼるけど、時期的には下ります。8時だよ!全員集合!事件の全然後。

 

俺が初めて会場で小人プロレスを見たとき、周りにはクラッシュギャルズを見に来たお姉さまがたくさんいました。これが東京だとお姉さまだけでおっさん客は居場所がなかった、と聞きますが、地方ではおっさん客のほうが多かったと思います。

初めて生で見る小人プロレスが始まろうとしたとき、生まれて初めて小人を見ただろうお姉さま方の反応は、今でいうところのKKOキモくて金のないおっさんを見る目そのものだったのです。
つーか、事実、小人はキモくて金のないおっさんだったんだけど。
明らかに戸惑いの、見てはいけないものを見てしまったように、友達お姉さんと眉間にしわを寄せて顔を見合わせ、居心地悪そうにきょろきょろして、席を立って行きました。
小人プロレスはお姉さま方のトイレタイムになりました。

ただこれはクラッシュファンの名誉のために言っておくと、クラッシュファンは女子プロレスに小人プロレスがあること、小人とクラッシュは仲がいいことを知っていましたし、クラッシュファンと小人との関係は良好だった思います。
問題はにわかファンでね。
それも仕方ない、だって高校生か大学生か、見たこともない異形を予期せずに見ちゃったわけですから、
反射的な忌避行動があっても動物的に自然なことだろうと思います。

 

その延長で、8時だよ!全員集合!に出たミスターポーンにクレームを入れるということも十分に納得がいきます。
その時に「あいつ、キモいからテレビに出すな」とは言わないのではないでしょうか?
「かわいそうだからテレビに出すな」って言いますよね、きっと。

本能的動物的差別者による、人権という言葉を利用した自己正当化が、ネトウヨの言う超人権団体なり超良識派なりによる超クレームの正体だ、というのが俺の認識です。
もっとも本物の人権団体に、本能的動物的差別者が少なからずいることは否定しませんがね。

 

あとたぶん、超クレームの数自体もそんなに多くなかったんじゃないですかね。だってそんな悪い意味でインパクトあったら今みんな覚えてると思うんですよ。

 

次に小人プロレスの存亡を賭けてたのに仕事がなくなった、という点ですが、クレームでなくなったのはバラエティ番組への出演で、小人プロレス自体は平常営業だったという認識です。
だいたい、世間の顰蹙を買っても話題になってゼニになりゃいいやで生きて、トーニャハーディングをリングにあげるとかぶちまける松永ファミリーが、クレームで行動を変えるわけがないじゃないですか。
変えたとしたら、ゼニ持ってくる客であるお姉さま方の反応ですよ。

松永ファミリーはゼニ好きだったからねえ。

 

そして最後に生活保護のあたりの話ですが、これは正確な制度的な話で言えば生活保護を受けた小人レスラーはいないはずです。
障害年金のみで生活している人は存在するので、公的扶助のみで生計をたてているという点にたてばデマだ間違いだと糾弾するべき話ではないと思います。
ただ、あくまでそれは、ケガや病気で引退後の話です。
(この障害年金の話、小人プロレスの衰退には大きな影響があって、あまり説明がされてないので、そのうちします。)

 

というあたりが、俺の知らない「8時だよ!全員集合!事件」の認識です。
次は、やはり人権がらみの話でよく出てくる、俺がよく知ってる「朝まで生テレビ!事件」でも。

 

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