笑の大学

土日が休めなくなって以来、公開初日に映画を見るなんて実に久しぶり。無理してレイトショーに駆け付けるくらい大期待。
30分前に始まる「いま、会いにゆきます」の客に混じってチケットを買う。こちらは行列を作る大人気。今日は雨。絶好の「いま、会いにゆきます」日和。
一方の笑の大学は、というと明らかに客層が違う。
もう劇場前でどっちの客か判別させたらひよこの鑑定士より精度が高いぞ。こっちの客は見るからに変。
静岡東宝4階で20:35の回。客入りは30人ほど。
チケットの半券を数えていたので見てみると今日の入場者は230枚ほどの当日券と20枚程度の前売り券。興行的にはずっこけてますな。
前回が終わっても客がなかなか出て来ない。ますます期待。
もっとも出て来た親娘の会話。「年取るとああなっちゃうんだよねぇ」
その言葉の意味は始まってすぐに分かった。役所広司、変。
でもこの映画は役所広司の映画だった。役者だわ、この人。
数少ない笑える場面はこの人の間によるものだった。
内容は戦時下の検閲をめぐる検閲官と作家の攻防なのだが、攻防で出来上がるシナリオもその経過のやりとりもたいして面白くはない。ただなんか憎めなくてほんわかしてくる。
爆笑という劇薬にかき消されがちな笑いの本質が見えてくるような気がした。
率直に言えば舞台で見たかったし、役所の演技も舞台のそれだった。
稲垣吾郎は…可もなく不可もなく。他に使って欲しい役者もいたけど、それじゃ興行的にまずいんだろ。木梨憲武をああいう使い方をするんだったらむしろ、という思い。でもそれじゃイメージが強すぎるか。そう考えると椿役も案外難しい。
不許可のシナリオとか笑の大学劇場の毎日の変化とか、DVDで確認したい場面はいくつかあった。
エンドロールは、なるほど客を返さない造りかた。恐らく世界一金のかかったエンドロールじゃないのか?