西遊記

「邦画の終わりの始まり」



静岡東宝6階で19:15の回。ひどいわ、これ。

まず最初の場面、荒涼とした広大な砂漠。テレビの紀行ものではありがちだけど映画館のスクリーンで観ると圧倒される。

ここに足を踏み入れるのが・・・さっき衣装箱から出したばかりの新品の安っぽいコスプレの日本人。

(このコスチューム、原価数千円だろうけど、数十万とか数百万で買われてるんだろうな)

もうこの時点ですべてをあきらめたね、俺は。

三蔵一行のイカサマっぽいこと。偽三蔵一行のほうがよっぽど説得力があった。

亀の呪いを解くために三蔵が唱えた般若心経の出だし、般若心経って三蔵が天竺から持って帰ったものだろ。それを天竺に行く途中で唱えてどうする?ちなみに唱えた内容を訳すると

「観音様が般若ハラミタの修行をされた。エイ!ヤー!」

仏教ナメてんのか?

結局、子供向けにそれっぽいものがあって、派手に騒げば子供が興味を持って親も連れてきて儲かるだろう、ってそれ一本で作られてる映画。

三蔵一行が、言っちゃ悪いけど映画役者として出演者の中で格の低い役者で占められてることがすべてを象徴している。そしてそれが映画の中で丸見え。

やっぱり普段映画に出てる役者がいかに優れているか、図らずも証明してしまった。

海原雄山じゃないけど、俺は子供にこそ本物に接してもらいたいと思う。

この映画を見て喜んでる子供は、将来ダンボール入りの肉まんを笑いながらマクドナルドのハンバーガーを美味そうに食ってると思う。



ただ個人的な好みを言わせてもらえば、多部未華子がすばらしい。

もし、奥さんがえくぼの出る人で、息子にもえくぼの出る女性を好きになってほしい、と思ってるお父さんがいたら、息子に見せてくれ。

倖田來未がエロかっこいいなら、多部未華子はブスかっこいい。



あと静岡東宝さ、濡れたタオルや靴下を入れたコンビニ袋を見て、「ご飲食物ですか?」とか、ふざけんなよ。

飲食物持込禁止とか言うんだったらまともな食い物を用意しておけよ。こっちは仕事終わって飯も食わずに映画館に駆けつけてんだよ。で、ホットドックも売切れ、フォカッチャも売り切れで、ポップコーンしか食い物がねえじゃねえか。んなカサカサしたもので腹が膨らむか?それで食い物持ち込み禁止か。ふざけんな。

意地でも売店で買わないし、腹が減っても我慢して外で食うよ。

ずらずら流れた予告編もエヴァ以外は邦画冬の時代をほうふつとさせるもの。

あいも変わらず朝から1回も掃除しないのだろう、場内ポップコーン飛び散りまくり。

一度潰れとけ。