宮沢賢治展が詐欺まがいで驚いた



P1000055.jpg静岡アートギャラリーの「絵で読む宮沢賢治展」に行って驚いた。

今日って「ケミカルガーデン」しか本物の展示がねーじゃねーか。

恭しく展示してた「アメニモマケズ手帳」、みやげ物コーナーで2000円だかで売ってやがんの。

展示と保存の兼ね合いは分かるし、資料を借りる条件も想像がつくよ。

でもこれが会場入口に行かないと知りようがないってのは詐欺といわれても仕方ねーだろ。







それはともかく、内容としては期待していた賢治関連の展示よりも、期待してなかった絵本作家の原画が良かった。子供のころに読んで記憶に残ってる絵があった一方で、初めて見て衝撃を受けたものもあった。



それが 東 逸子の銀河鉄道の夜。絵の構造としてはストーリーにそのバックボーンを透過させて描くもの。ラッセンあたりを扱うインチキ画商のギャラリーで時々見かける構図なんだけど、これがピタリハマってるんだ。

星めぐりの部屋というカーペット敷きの読書ルームがあって、本自体は静岡市立図書館のバーコード付き。ただ星空に囲まれて白熱球の間接照明で雰囲気がいい。

ペンネンネンネンネンネネムの伝記を読む。

最初に読んだのはいつだったか。グスコーブドリの伝記の元ネタくらいにしか思ってなかった。

次が鞠谷友子の舞台「ネネム」をシアターテレビジョンで見たとき。7-8年前か。そのときも気が付かなかった。

そして今回。舞台での歌を歌うように、鞠谷友子の台詞を口ずさむように読んでいて気が付いた。資本主義のクソが凝縮されすぎていることに。

貸付金の利息を取る仕事のために後ろに付いた人への 貸付金の利息を取る仕事のために後ろに付いた人へ 貸付金の利息を取る仕事のために後ろに付いた人への・・・何十人も行列して自分の前の人の監視をしてるだけで、一番前の人が犯罪を犯しても誰にも罪悪感がないという・・・場面は圧巻。

舞台だと笑えすぎて本質に気づかなかった。