草食系男子の恋愛学

草食系男子の恋愛学

草食系男子の恋愛学

しかしこれ、ひでー本だな。

森岡正博って映画に関する文章や現代文化論みたいので注目してたんだけど、過剰に期待しすぎたようだ。
テーマの設定からして絶望的にダメ。今までのテーマ設定や着眼のよさはフロックだったんだろう。論理的に考えてたらこんな本、書けないはず。
どうせ観念論だったら文章の芸を見たい。

恋愛に消極的になってる男を草食系とか言いながら、実際には傷ついて動けない肉食獣だと思ってやがる。だからいかにして傷を癒して狩りをして肉を食うべきかを論じてる。
肉食獣が動けないからって草食うかっつーの。
ハウツー本を批判しながらハウツーを書いてるんだからどうしようもない。

とはいえハウツー本としても出来は悪い。
女が欲しけりゃ理解を示しましょう。「そうだね、分かるよ」って言ってあげましょう。
ハウツー本には必ず書いてあること。もちろんこの本にも。
ところがこの本のタチの悪いところは「誠実さは報われます」ってところ。
じゃ理解してあげられない時にはどうしたらいい?
誠実に「理解できません」って言っていい?
それとも「そうだね。分かるよ」って嘘をつくべき?
誠実に嘘をつけばいいとか?
これに答えがないところがハウツー本としてのこの本の最大の弱点。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20081119/113332/