ウォルター少年と、夏の休日

新聞等での映画評はイマイチだし静岡では小さい静岡ミラノ2階で昼2回上映だけという扱いだけど、内容としてこの手の映画は好みにハマりそうという直感があって先週に続き再挑戦。
エアロ初級のレッスンが終わってサウナに入って、ビールは観ながら飲むつもりで劇場に駆けつけて13:25の回。ちょっと早く着いたので入場してからビールを探したが、ミラノでは販売していないとのこと。気がつかなかった。
前回が15人ほど、今回は高校生風の7人連れなどを含めて40人ほどと意外な入り。
親の事情で見ず知らずでガンコ者の親類の家に預けられる男の子の一夏の物語、真っ先に演劇集団キャラメルボックスの「さよならノーチラス号」を連想してしまった。実際はカラっとアメリカンに明るい。
成長する少年像やら冒険劇やらロマンスやらコメディやら、いろんな要素を積めこみ過ぎでまとまりがないと言っちゃまとまりがないし、積めこみすぎて時間の制約からか、それぞれの描き込みがやや浅い。叔父さんの冒険劇が本当かどうか疑わしい、というあたりの描きかたが足りなくて素直に「そうだったんだ」と信じこんじゃった。不安に思っていたらラストの族長の孫の言葉にもっと感動出来たんだろうなぁ…。
だけどこの映画においてそんなことはほんのわずかのこと。
コメディの点でいえば、左後ろに笑いに緩い客がいて、連られて笑ってしまった。あの辺の笑いの質は温かみに根づいている、という点で落語に近い質の笑いだと思う。
全体的に70年代の田舎という最後の古き良きアメリカを感じさせた。楽しめて、のめり込めて、あったかくなれる、お得な映画だ。
と書こうと映画を観終わって感じた。そして書いていてあることに気付いた。
そうだ、ハブ叔父に既視感を覚えたが、誰に似てるというわけではない、ハブ叔父こそ俺が子供の頃に抱いていた外人レスラーのイメージそのものなんだ。
いいんだよ、カッコ良すぎて。族長は族長で自分に都合のいい話を生き生きと孫にしてるんだろうし、こっちはこっちで然り。でも生き生きと語れる人生があって、その話に見合うだけの生き生きさで生きるってことは素晴らしいことだ。