クレーマーに引っかかった2

言った瞬間に幽体離脱してた心が体に戻った。
向こうさんはこの言葉を大チャンスと見て嵩に懸かってくる。
やっべー、と思いつつ心は差し水を差されたみたいにすっかり冷めている。社長に代われ。また出たその一言をチャンスと見て電話を切って茶を飲んだ。
古今亭志ん生師匠は偉大だね。
師匠は高座で自分のペースではないと感じたら、トントントーンと勢いよくたたみこむ場面でも平気でまったりと茶を飲んだという。
冷静に茶を飲んで出した結論。自分では冷静だと思っていても冷静じゃないかもしれないから信頼できる人に相談してみる。この相談が結果的に社長の耳まで入ることになるのだが、最終的に社長の結論は2冊出した確信があるのなら謝罪は絶対にするな、でも面倒くせえから不快な思いをさせたことに対してという名目で1冊くれてやれ、それ以上のことは絶対にするな。
俺の方向性とほぼ同じお墨付きをもらった。