父、帰る

シネギャラリーで16:40の回。客入りは22人。
ロシア映画。暗い。恐い。重苦しい。ドストエフスキー以来、日本人がロシアに対して持っているイメージそのままの映画だ。
結局最後まで旅の目的は分からない。一瞬分かったつもりになったんだけど。この船で難破して無人島に流れついて帰れなかったんだ、そのことが分かって通じ合うんだ、と。でもそうすると電話の指令とか、帰ってきた時の大人の喜びのない対応が説明つかない。
それともやっぱり単に裏の仕事なのか?そもそもこの父親は本物なのだろうか?
今度触られたら殺す、という弟が次に父親に触れるのは自ら進んでだった。この辺は反抗期から成長を暗示してるんだろうけど、そう思うと直感として暗示的な表現が多そうな、持って回った表現が多くて気になった。都合よく変わる天気とか。初見ではよく分からんが、もう1回見たいと思うような楽しみには乏しい。イビキかいて寝てた奴もいたし。
広告でいう衝撃のラストシーンとは転落、沈没のどっちだろう?
沈没の場面って他の映画でいくらでもあるけど、かけがえのないものが、自分の手で動かすことも出来るものなのに、どうすることも出来ずに、ただ沈んでいくのを、呆然と見送らざるを得ない。なんというリアリティ。そういえばルパン三世でこういう後味の悪い終り方をする回が時々ある。
音楽はニューエイジっぽいものが使われているが、サントラは本国でも発売されていないとか。