パッチギ!Love&Peace

テーマとかその背景とかイデオロギーとかいう部分を別にして純粋に映画の出来なら「俺、君」に比べると2枚か3枚劣る。惨敗だ。都知事選の浅野並みの惨敗だと言っていい。

サールナートホールで15:50の回。

客入りはイマイチで30人弱。同時間帯のクィーンとあかね空が満席になってるのに。

続編とはいえ、まったく独立した話で前作を見ていなくてもまったく関係がない。しかし話題になったとはいえヒットしたわけではない前作の続編という弱点は前作のテレビ放映でも埋められなかったか。

それ以上に出来も良くない。俺は他の作品に比べてどう、とかそういうことを普段は書かないけど井筒が同じ俎上に上がりたがってるからあえて書く。

舞台は在日の世界。それは分かる。問題はその舞台で何を描きたいんだ?ってのがよく分からないこと。

芸能界裏話ってわけでもなし、難病と戦うヒューマンドラマでもなし、犯罪アクションでもなければ差別と戦う社会派擬似ドキュメンタリーでも、在日社会ウルルン滞在記でもない。

結局、描きたいことなんかないんだろ。ただ在日の世界でにぎやかに騒ぎたいだけなんじゃないか?

見所はケンカシーンだけってのがそのことを証明してると思う。

とはいえ、そのにぎやかアホパワーが今の日本に必要なものだとも思う。

ただその熱を描くのが目的としても、テーマがぶれて集中できないところに、変にイデオロギー的に挑発的な部分や「常識」で見れば引いてしまうようなエピソードでその熱をそいでしまっているような感じ。

あと、当時を題材にした小ネタも散りばめられてたけど、それらも徹底されておらず、

その時代のそれっぽいものがあればいいだろう的な安っぽいテーマパーク臭が感じられた。

http://www.kantetsu.co.jp/new/blue_train/blue_train.htm

京浜東北線がドアの形が変な4両編成の気動車だったりとか。

このあたりのこだわりの美学が「俺、君」との大きな差につながっていると思う。

作りたいものは分かる、でも分かる人には分かってくれるだろうと言う井筒の甘えが感じられる仕上がりだった。

分かるけど、分からないふりをしたい。





というあたりをベースにメールマガジンを発行する予定。

http://www.mag2.com/m/0000227749.htm