ザ・シューター 極大射程

ザ・シューター 極大射程」を観てきた。

久々にゴリゴリとしたハードボイルドを観たような気がする。こういう雰囲気、好きだな。

ただ雰囲気もいいし、言われるほどのオバカアクション映画でもないけど、その割には後に残るようなものが何もないってのが寂しい。その場限りで終わってしまう娯楽映画に近い余韻だった。



静岡ミラノ1で19:00の回。客入りは100人弱と超大作並みの入り。ミラノ1でここまで入っているのを見たのは、原田知世が「大停電の夜に」の舞台挨拶に来た時以来。映画の日、恐るべし。



海兵隊の現役時代の作戦中に見捨てられたスナイパー。退役後に大統領暗殺計画を阻止するために駆り出されるも、これが彼を犯人に仕立て上げる罠。逃走中に出会った新米FBI捜査官とともに黒幕=アメリカそのものと立ち向かうアクション。



「このミス」を売りにしてる割にはミステリーじゃなかった。原作は未読。

原作では「実は俺の銃は撃てない仕組みになってるんだよねー」ってのが

どんでん返しのエンディングになってるらしいけど、それをそのまま映像化して

面白いんだろうか?売れるんだろうか?最後にドッカーンやった方がいいんじゃないだろうか?って不安が監督と脚本家にあったんだろう。



無理に理屈をつければ、法の限界を知る前と知った後の描写があるから主人公のスナイパーとしてのプロフェッショナル意識みたいのが引き立って見えた、法治国家は無条件の正義を求めるという幻想を持ち、その法治国家の枠組みの中で常に狙撃が正当化されなんとなく正しいことをしてるつもりだけだったスナイパーから、個人の正義感を基準にして時に悪のリスクを背負ってでも正義を貫く覚悟を持った人間への変化がよく描写されていた、ってあたりか。