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6月2日、静岡ピカデリー2で19:10の回。

ディス・イズ・すぽるたーーーーーーーーーってのがマイブームになりそうだ。

スパルタ最後の戦いを描いた古代戦争映画。
スパルタ教育という言葉が現代にあるように、歴史に残る壮絶な教育で育成された
研ぎ澄まされた誇り高き戦士たち、もちろんそれはある種の洗脳の賜物でも
あるわけだけど、それによりもたらされる究極の鍛錬と純粋さは、
美のひとつの姿を形作る。

史実だから書いてもいいだろうけど、スパルタ戦士は最後に全滅する。
死を覚悟した台詞がいくつも出てくる。でも描かれているのは徹底して死ではなく生。
死を懸けた生、なんていうとありふれたフレーズだけど、この作品はちっとも
ありふれていない。

原作はアメコミだと後で知った。演出過剰、艶やかな色合い、やけに芝居がかった
台詞、デフォルメされまくった背景と人物像と出来事、なるほど、合点がいった。
シン・シティ」に似たようなテイストで、命がけの強さがカッコよかった。
古代戦と近代戦の差はあるんだろうけど、こういう邦画の戦争映画を作って
欲しいんだよなぁ・・・。

首が飛んだりといったグロい場面もあるけど、ゆるぎない立場からたった一つの
テーマを主張してくる力強さに引き出された高揚感からか、グロも気にならないし、
たった一つのテーマを貫く美学に魅せられたからか、扇情的にも取られかねない
場面も、美以外のなにものにも映らない。
単純に描かれているから単純に乗せられてしまう。

エンドロールがスタイリッシュでいい。
今年の映画を振り返ったときに上位1割に確実に入ってくると思う。