ワルボロ

「ワルボロに学ぶ”なまか”の大切さ」



MOVIX清水8番スクリーンで21:00の回。客入りは50人ほど。

もっと昔を懐かしむ層が多いのかと思ってたけど、実際は10代のストリート系っていうの?そういうのが多かった。



立川を代表する不良だったゲッツ板谷の自伝の映画化。

世代的には俺よりちょっと上。突然目覚めてにわか不良になって、そこで鍛えられて本物の不良になっていくまでのサマ。



え?これ、中学生?って違和感は正直なところ大きかった。序盤の薄っぺらく粋がる不良像とあいまって、地雷映画を踏んじゃったかな、とさえ思った。

ところが逃げずにきっちりと人物を描いているから妙な説得力があっていつしか引き込まれてるんだよなー。恐らくゲッツ板谷本人が恥ずかしいと感じる部分も逃げずにさらしたんだろうと思う。恥を補って余りあるくらい美化されてるんだろうけど。



登場人物のキャラが非常によく立っている。実在したモデルの魅力でもあり、演じた役者それぞれの魅力でもあるのだろう。実に人間くさい。びびったり逃げたりヘタレたり寝返ったり隠れたり、でも決してそれを一方的にネガティヴに描いたりはしない。不完全な成長過程の人間として暖かい目で見守っているようにすら感じた。

所詮は中坊、実は大したことを考えてるわけでもないし、ある意味単純明快。

だからこそ、大人にはありがちな生活とか背負ってるものとか今までの生き方だの歴史だの、そんな複雑な要素が完全に排除されて、ストレートなテーマが胸に迫ってくる。

「なまか」は大切だよ、って。行き場のない情熱は「なまか」を求める合図だって。

俺の人生の命題に刃物を突きつけたといってもいいくらいのものだ。