新報道プレミアAに浮かび上がる日中問題の本質

右翼メディアのフジサンケイだから、あるいは威勢のいい右翼発言で飯を食う決意をした桜井良子だから仕方がないだろうけど、新報道プレミアAっつー番組もひどい。

まるで今出てきた問題のように、去年の5月にあった偽ハチミツ問題を取り上げたこともそうだけど、天洋食品の記者会見を具体的に検証するという、一見意味があるように見えて実は意味のないことを得意げにやっていた。

これさー、日中間の摩擦がなぜ生じているのか、まったく分かっていないか、分かっていて無視しているのかのどっちかだよ。



天洋食品の主張「監視カメラがあるから(監視カメラがない場合に比べて)従業員が勝手なことをする可能性が低い」というだけの内容を中国流に大げさに表現しただけであって、「自分たちこそ被害者」発言ともども「とりあえず言ってみました」ってレベルのこと。それを日本人らしい生真面目さでまともにとりあうから摩擦が起きるんだよ。「へー、知らん」って流しておけばいいものを。



中国公安がなんの発表もしないのも理由がある。様子を伺ってるんだよ。彼らに真実を追究するつもりなんかない。だって「真実」なんてありえないって知ってるから。

日本人は客観的な事実を積み重ねることによって真実に近づくことに意味があるって盲信している。でも客観的な事実を積み重ねて真実に近づいても、真実そのものにたどり着くことはありえない。だから合理性のある論理のことを真実だと「看做す」行為をしている。そしてたいていの場合、その二つには大差がない。

しかし真実ではないものを真実だと「看做す」、そう、看做してるのよ。この看做すって行為には論理と真実の二つが別のものだという前提がある。この点を日本人のほとんどは失念してるんだよなー。



一方の中国人は、ってえと、どうせ真実なんか分かりはしないし、論理のことをを真実だと「看做す」のは嘘をつくのと一緒、どうせ嘘をつくなら「看做す」という小さな嘘をついても仕方がない、なら自分の得になるような大きな嘘をつこう、そう考えてるんじゃないのかな。

真実は近づくものじゃなく作るものだと思ってる。そしていろんなアドバルーンを回りに揚げさせて、そんな「真実」を作るのがいいか、様子を中国公安が見ている。



まあそういう状況だと思う。

この「真実」に対する姿勢の違いを理解しあわない限り、日中間は永久に摩擦を起こし続けるだろう。少なくとも日本流の「検証」が神聖なものだという前提に立ち続けても、日中間の問題はなにも解決しない。