僕の彼女はサイボーグ

「なにがなんだかよく分からない、いや、いい意味で」



静岡ミラノ3で19:30の回。客入りは40人弱となかなかの入りだけど、「1万年前」との交互上映のため回数が少ない。



日本を舞台にして日本人を使って韓国映画の文法で作られた韓国映画

自分が韓国人になって韓国語で韓国映画を見ているような気分だった。



露骨に強調された綾瀬はるかの胸が素晴らしい。サイボーグ表情が完璧。酔っ払いシーンは神。

CGもいい。下半身がちぎれる前後のシーケンスなんか、この程度の公開規模の映画とは思えない。

あの町で悲しむべき事件が起きているのに何も出来ずに命が失われる、

何も出来なかったからそれを救うためにサイボーグを作ったのに、そのために起きた地震で結局サイボーグはじめ多くの命が失われていくのを見てるだけで何も出来ない。そのあたりの悲哀も存分に描かれていて、最近のアイドルの映画だと見くびっていたわりに意外に良作だったと思う。



と、ここまであえてサイボーグという単語を人型ロボットを表す漠然とした意味で使ってきた。たぶん世間一般としてロボットとサイボーグとアンドロイドはなにが違うの?って感じで混同しているだろうし、それを前提に考えてたんだけど、あとからよく考えると正しい意味で「サイボーグ」を使ってるんじゃないかと思えてくる。



「サイボーグ」

サイボーグ (cyborg) とは、サイバネティック・オーガニズム (Cybernetic Organism) の略で、人工臓器等の人工物を身体に埋め込む等、身体の機能を電子機器をはじめとした人工物に代替させることで、身体機能の補助や強化を行った人間の事。

wikipediaからの引用だけど、サイボーグっつーのは人間なのよ。そうそう、私はロボットとは違うっつー台詞もあった。

サイボーグなのは確かなんだ。だって人の心を持った綾瀬はるかを修復して作ったのが綾瀬はるかなんだから。



つーことは最初のロボット然とした言動の意味は?サイボーグという単語の誤用か?心を機械に置き換えた、それでも人間といわざるを得ない存在の姿と、今いる人間との比較を求めているのか?

ってあたりに始まって、いろんな疑問と複数の回答が噴出するのよ。



時間軸が渦巻きのように一周半して違うパラレルワールドに行ってしまってる(千切れて壊れた綾瀬はるかを50年かけて修復してタイムマシンで送り込んだのに、次に壊れた時には別に人間(なのかどうかは疑問を持っているが)の綾瀬はるかがいる)から整合性は絶対に取れないんだけど。でもこの構成は、渦巻きをどんどん拡大させる想像力を刺激してくる。



以上とは別に「白馬に乗ったお姫様シンドローム」というべき現象についても触れようと思ったけど、気力が尽きたのでやめた。