羊蹄丸

青函連絡船にもいろんな船があったけど、俺にとって羊蹄丸ってそのまま東京のイメージ。函館を夕方に出て青森に夜着、上野行きの夜行列車につながる、そういう船。

逆に函館に帰ってきたな、と思う船は青森を朝に出る十和田丸とか八甲田丸。



そんな羊蹄丸が今お台場にあるってのは不思議な因縁も感じるけど、一方で特別に懐かしいとかは思わない。でももう廃止になってから20年近くたつんだよな・・・。

つーことで今まで別にどうとも思ってなかったけど、お台場に行ったついでに船の科学館、羊蹄丸に行って来た。



船の科学館本館は普通の博物館という感じで特にどうとも思わなかったけど、南極観測船・宗谷丸が内装もそのままに残っていて、時代を感じた。

父の同僚が昭和55年頃にこの船で南極に行って、お土産にアルゼンチンかどこかで買ったという缶詰のバターをもらってたっけ、発酵バターで美味かった。

そのころのそのままが残っていて、羊蹄丸もそうだと思って、なんか妙な期待が盛り上がってきた。



P1000213.jpgP1000214.jpg船の科学館の展望台から見て、甲板に人工芝が敷き詰められてるのが見えて、それは萎えた。



P1000215.jpg入口でさらに萎え。

スライド式の入口が完全にふさがれてた。

入ってみてガッカリ。面影なし。完全にパーティションが取り除かれて広々した空間。

普通船室は変なパビリオンみたい。打ちひしがれた。



下に降りるエスカレーターがある。ここは元は貨車甲板だったところ?

ここに広がる青函ワールドという展示が素晴らしすぎる。昭和30年代の青森を再現したらしい。俺が知ってる青森はせいぜい昭和50年代半ばで、ここまでじゃなかったけど、でも確かにこの世界のカケラはあった。





P1000217.jpgP1000216.jpg入ってすぐ魚屋があるんだけどさ、右側のバットの中身の白いうにょうにょ、分かる?タチだよ、タチ。

これ見ただけで、この展示がタダモノじゃないと思ったね。

内地の人が資料を見ただけじゃ再現できないところまで作りこまれてるもん。



P1000218.jpgP1000219.jpgリンゴ屋。

あったあった、こういうリンゴ屋、記憶にあるよ。





P1000224.jpgしかもこの展示の怖いのはこれ、お茶におやつの津軽飴!しかもこの缶カン。







P1000220.jpgP1000221.jpg荷物に埋もれる子供と焼き芋屋に絡む子供。







P1000225.jpg張り紙だってはがした後に「張り紙厳禁」









P1000226.jpg待合室のダルマストーブに都会の詐欺師があたっていて、寒いねーとか言ってる。

奥で口の周りにご飯粒をくっつけておにぎり食ってるおばちゃんが豪快。



P1000227.jpg左は鉄道弘済会売店、右は手伝いをする担ぎ屋の息子が船長にほめられるの図。







P1000228.jpgP1000229.jpgP1000230.jpgP1000234.jpgP1000237.jpgコメントのしようがないよ。

ちゃんと飯を食えてるかだの、そんな会話が流れてくる。

もっともこの喋りが、いかにも東京の役者が津軽弁を演じてる感じでよくないんだけど。

ちなみにこの5枚の写真の中に本物の人間の子供がいるんだけど、分かる?





P1000235.jpg本日の主役登場。

大道芸人クートンさん。

函館出身の喜劇役者・益田喜頓にかけてるんだろうけど、すっかり駅前食堂で泥酔。

P1000236.jpgまた食ってるものがすごい。

カレーライス。普通でしょ?

イカの刺身。普通でしょ?

でもさ、カレーライス食いながらイカの刺身を食ってるってどうよ?しかもイカ刺しをさらに追加しようとしてるし。

いくら函館の人がイカ好きだからってカレーライスの付け合せにイカ刺しって・・・ないとは言い切れないところが怖い。

油断してると食卓に乗ってるんだよな。



それはともかく、函館人、青森人のツボ付き過ぎだろ、この展示。