退職のご挨拶など

辞めましたー。っつーことで。
片足抜けたり戻ったりで、なんだかんだで8年。本当にお世話になりました。
定時より30分早く出社、30分遅く退社してたためか、定時出社・定時退社の人にしてみれば「いつもいる人」という存在だったらしいけど、そんなに一日中いたわけじゃないよ。
ただ会社で飯を食う回数はダントツに多かったはず。夜中に食うと太るから、食ってから帰るということが多かった。

そんなこともあって会社に私物が多くてねー。結局全部持って帰ったけど、最後はカブに無理やり積んで、まるで夜逃げするベトナム人状態。

最後にいろいろプレゼントを頂いて恐縮至極。まぁ、それが普通に荷物を持って帰るつもりが夜逃げ状態になってしまった原因なわけだけど、それだけまったく予期しない、生まれて初めての「サプライズ」だったっつーことで、ちょい感動。

2000年春の求人誌にネット通販の求人が2件載ってた。
古本屋とお茶問屋。当時の俺にとっては圧倒的にお茶問屋の方に縁があった。古本屋では客に過ぎなかったけど、学生の頃から茶農家でバイトしてたもんね。
ただ当時の俺の履歴書には謎の空白の時期があった。ネットビジネスの黎明期に徒手空拳で惨敗した証拠なんだけど、ここが不安の種だった。オウム真理教騒動の直後。オウムの元信者が書く履歴書も多分似たようなもののはずだったんだよ。当時は今ほど労働力が流動化していたわけじゃないから、大卒で履歴書に空白があるってのは異常な存在だったんだけど。
そんなわけで古本屋で先に面接してOKが出たとなれば、飛びつくのが当然。使ってくれて、本当に感謝してる。そこが一番の根源にあって、今まで来た。

いろんなことがあって、外の水撒き用の水道管に社用車をぶつけて噴水状態になって、2日間社内の水道を止めたとか、武勇伝みたいのには事欠かないのは事実。でも社内で俺のせいになってることの3分の1は俺、知らねーよ。俺のせいになって問題が解決してたみたいだから放っておいたけど。一応私物は全部引き上げたから、残ってるのは俺のものじゃないよ。

水道管破裂のほかに印象に残ってる事件といえば、クレームをつけたお客様が乗り込んできた事件ってのがあった。

俺が同人誌2冊を梱包して発送したお客様から1冊しか入っていない、というクレームの電話。
でも市内で同じ同人誌を2冊通販、不自然だからはっきりと覚えていた。間違いなく2冊発送している。
電話はお互いにヒートアップ。つーか俺がキレちゃダメだろ。最後には向うから「場所は分かってるんだ、今から行く」の一言で電話が切れた。
さすがに会社に迷惑がかかると思って某現部長に報告すると
「間違いなく2冊出してるんでしょ?だったら来たらいいじゃん」
こう信じてもらえるからこの会社は甘いというか、お人よしというか、感動的なまでにありがたいというか。
そして意外な結末。
本当に来たのよ、電話の主が。
それも菓子折り持って。
同人誌が薄くて2冊あるとは気がつきませんでした、すみません、って。
電話で俺がキレる前に言うべきだったんだよ、袋を開封されてますか?袋に2冊入ってませんか?って。
でも最初からクレーマーだと決め付けてた。恥ずかしい。
しまった、2冊あった、といって逃げずに菓子折り持って乗り込んでくるようなお客様を、どう思ってたか。
これは人生の転機だったね。

そんなこんなで今に至るわけだが、これに限らず仲間内だけではなく、「お客様」にも良くしてもらったこと、恵まれたことを幸いに思う、その一言のみ。