落下の王国

「世界って、人間って、こんなに美しかったんだ」

静岡シネギャラリー右側で19:15の回。客入りは30人ほど。

映画創生期、橋から落ちて再起不能の怪我をした上に恋人を取られたスタントマンが入院してきた。病室に出入りするようになったオレンジの木から落ちて入院している5歳の女の子と親しくなる。この子を楽しませるため、そして気を引いて薬棚からドラッグを盗ませるためにファンタジーを語り始める。
一人で語り始めた話は、やがて二人の現実とリンクをし始め、2人で作る人生の物語に。

いや、とにかくすげー女の子が出てきたもんだ。5歳。演じてるとは思いたくない。大人が映画の登場人物として期待する女の子そのもの。
ちょっとデブで、はにかんだりせがんだり喜んだり表情豊かで。

二人で作るファンタジーの舞台は美しさで知られる各地の世界遺産。現代からは考えられないような世界観の基に築かれた世界遺産はロマンそのもの。そのロマンの持つ力を遺憾なく発揮した映像は美の極致と言える。
世界ってこんなに美しいんだ、と改めて知らしめてくれる。
せっかく公開してくれたシネギャラリーには申し訳ないけど、これは大きなスクリーンで見たかった。
つっても静岡の場合、大きなスクリーンだと音響に難があるんだよなー。音楽もこの映画を支えるに十分な美しさ。

美しいのは世界だけではない。人間も美しい。
あなたに生きていて欲しい、って純粋な思いの美しさ。
やれ欝だのメンヘルだの言って喜んでるヤツらがいたら、甘えていないで、ぜひこの美しさを見て
前向きにがんばって欲しい。