K-20怪人二十面相伝
「年末年始はケイ・トゥエンティでキマリ」
静岡東宝1階で13:25の回。客入りは中高年を中心に70-80人ほどとなかなかの入り。
俺は、明智探偵にあこがれて探偵になりたかった子供だった。少年探偵団シリーズから始まって、小学5年生のうちに江戸川乱歩作品を読破した。「パノラマ島奇談」とか、意味わかんなかったけど。
そんなこともあって作品の出来が心配だった。
いや、むしろ最近の邦画の出来を考えて、諦めすらしていた。見終わったらきっと罵倒するんだろうな、と思ってた。
しかしどうもこの映画、江戸川乱歩の怪人二十面相ではないらしい。タイトルの読みも「ケイ・トゥエンティ」のようだ。
- 作者: 北村想
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/09/05
- メディア: 文庫
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サーカス小屋の雰囲気、あれ抜群だよ。昔のサーカス小屋が好きな人だったらあれだけで元が取れると思う。しかも山本光洋とか、ふくろこうじが出てるの。エンドロールは見ておくものだね。その場では気付かなかった。
乱歩作品でもサーカスが雰囲気の要になることがあって、そのあたりを上手く表現してるよ。
分かってる人が本物志向で作ってると感じた。明智探偵の扱いはアレだけど、怪人二十面相の世界を見事に映像化していたんじゃないかな。
鼻白むような単純化された格差社会の描写にしても、乱歩的世界を2008年に映像化するとやむを得ない部分があると思う。乱歩作品には北朝鮮のコッチェビのような少年とかが出てくる。
アクションは褒め言葉として「洋画を見ているようだった」と言っておく。変装マスクを脱ぎ捨てる場面も、子供の頃にテレビドラマで見たような不自然さがまるでなく、納得のいくもの。
乱歩の世界でもないし、架空の世界の話、北村想が劇作家ということもあって演劇ならではの文法が目に付く部分はあるけど、描写の説得力が半端じゃない。この辺が「三丁目の夕陽」クオリティなのか?
邦画もやれば出来るじゃん!