カフーを待ちわびて〜草食系男子(笑)

静岡シネギャラリーで14:30の回。客入りは25人。
シネギャラリーはブロックブッキングだからって、2月28日に全国封切りで、2週間で切っちゃうってところがまたすごい。


雰囲気「だけ」はいいなぁ、と思って、雰囲気「だけ」を味わいに行った。

内容?
avex(笑) スイーツ(笑) 癒し(笑) イケメン(笑) 草食系男子(笑) 沖縄(笑) スローライフ(笑) 犬(笑) おてんば(笑) 不倫(笑) 傷ついた私(笑) 和風(笑) 等身大の幸せ(笑)


こんな感じで、箸が転がってもおかしく思えるくらい笑いどころ満載なんだけど、実はこれがなかなか見れる。
もとのストーリーつーか世界観がしっかりしてるもん。個々の人物のバックストーリーがきっちり出来上がっていて、ファンタジーなのにファンタジーを忘れさせるような、地に足着いた世界に感じられる。続編やスピンオフが5本くらい作れそうな気がするほど充実してる。


また主人公の玉山鉄二とマイコの2人が、セックスなんて都市伝説です、この沖縄の離島には存在しません、みたいな透明感を保ったままで最後まで押し通す。なかなか出来ることじゃない。じゃあ、そういう雰囲気を映画として余すところなく描写しているか、というと表現が紋切り型で陳腐な部分が目に付く。
だから最終的に、あー、なんかいいね、的な感想を抱かせる程度で終わっちゃってるんじゃないかな。


基本は雰囲気映画。ビールでも飲んで、海を眺めるような感じでスクリーンを見てれば、脳の奥をくすぐられるような贅沢が時間が流れていく。
それだけで十分じゃないか、って考え方ももちろんアリだろうけどさ。今のままで幸せだよって。


でもさー、こういう映画を女性向けだけに作るのは、そろそろやめて欲しいんだよね。理屈でも納得して楽しめるような、恋愛要素とか要らないから、そんな癒し映画みたいのって、そろそろ出てきてもいいと思うんだけどなー。


あるいは、こういう都合のいい女が都合よく現れて、都合よく「なにもしないボク」の人生を変えてくれる、そういうのはライトノベルに死にたくなるほど見られるパターンなんだけど、それでいて男向けに作られない、ってのは不思議だと言うべきか、草食系男子需要がそれだけ多いというべきか。


草食系男子論のバカバカしさに関しては以前に書いたことがあるので、こちらもどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20080907/p1