ドラゴンボール・エボリューション〜断じてトンデモ映画ではない


静岡有楽座で14:20の吹替版と16:10の字幕版。客入りは20人強と30人強、そこそこの入り。
原作の存在感と、予告編に漂うトンデモ臭で注目の作品ではあるんだけど。
でも原作ったって俺は最初の天下一武道会のあたりで離脱したし、トンデモ映画は好き好んで見てて、予告編を見る限り、言うほどのトンデモでもないだろうと思ってた。
結果。一行目にも書いたとおり、静活は入替なしということもあって続けて見てしまった。

何で二度見たかって?別に二度見たかったわけじゃなくて、字幕版を見たくなったんだ。この人、どんな声してるんだろう?って思った。
誰って?ジェイミー・チャン

誰それって?チチ役。映画は初めてのようだ。
原作だと俺の知る限りチチって田舎娘じゃなかったっけ?ところがこれがとんでもないセクシーアジアンビューティーでね。顔立ちからして釣り目だし韓国系かなー、と思ってたらどうもその通りのようで。
これが25歳っつーんだから驚くよ。設定は悟空もチチも高校生だろ?で、ブルマは年上。ところがブルマのエミー・ロッサムが22歳、うーん・・・。


このジェイミー・チャンがすごいんだよ。アジアンビューティーって言ったとき、日本人や日系人が少ないのはなぜなんだろう?アメリカ人好みのアジアンビューティーのイメージって、ちょっとでも劣化すると、日本ではすっげー野暮ったい印象になるからじゃないだろうか?
だから美の基準を日本に置いている日本人・日系人アメリカ人好みのアジアンビューティーを目指しにくいのではないかと放言してみる。

内容のほうなんだけど、要するに悟空とチチが現代のアメリカンハイスクールスチューデントってところで、多くの人が思考停止して粗探しに走っちゃうんだろうな。酷評の正体はそこだ。


確かに、いくらガレッジセールのゴリと紙一重とはいえ、欧米人が「悟空」とか呼ばれてると真顔ではいられないけどさ。
でも現代のアメリカから始めて観客に親近感を持たせてから、本舞台の時代不明のアジアへ移行させる課程としての導入部分、これはこれで決して間違ってない。


俺は先入観なんかにとらわれませんよー、とか思ってる人ほど冒頭で先入観が正しいと確信したら徹底的に偏見でしかものを言わないものだ。冒頭から段々軌道修正して、原作に近いエンディングを迎えてるのに、必死に冒頭と同レベルの原作との乖離を見つけようとして、見つからないからうそにならない程度に表現を駆使して、面白おかしく煽り書く。そして後は、蔑視と嘲笑のネタとしてネットで共有して、多数派の連帯感とカタルシスを味わいながら消化していく。


だから俺は徹底的にこの映画を擁護しようと思う。
第一にこの映画の素晴らしいところはジェイミー・チャンの釣りあがった目。第二にジェイミー・チャンの艶やかな唇。第三にジェイミー・チャンの形よく整った胸だ。
とか、まあ、そういう冗談はともかくとして。


本当にこの映画の素晴らしいのは、
ピッコロの手下役でERIKOと名乗っている田村英里子の、意味もなく空いたコスチュームの胸元と・・・以下略


DRAGONBALL EVOLUTION、断じてトンデモ映画ではない。ただ、面白くないだけだ。
そこによくある原作至上主義者が過剰反応しやすい作りが加わって、それなりの反応が起きてるだけの話で、特別になにかあると思ったら大間違いだ。
はっきり言って、この映画、普通。
吹替版の序盤こそ、インチキでチープな、ホイ3兄弟とかあのあたりの時代の香港映画を見てるようで良かったんだけど、段々そんな味わいもなくなっちゃって。