イエスマン〜このレベルのコメディをコンスタントに見たい

静岡ミラノ2で15:40の回。
ケロロ軍曹との併映のため、この回が初回ということもあり、半日分の客が集結。小さいミラノ2に80人以上の大入りとなった。
やっぱりさー、コメディは大人数で見るべきだよ。

離婚以来、精神的にヒキコモリがちのジム・キャリー。なにに対しても消極的、誘われても答えはいつもNO。
しかしこれじゃいけないとはどこかで思ってた、そんな時に誘われた自己啓発セミナーで迫られた「選択の全てにYESと言う」という誓約をたて、実行。
つきまとわれたホームレスに頼まれるまま車で送迎し、ガス欠。悪態をつきながらたどり着いたガソリンスタンドで、悪態をついたのがきっかけで女性と親しくなる。
ここを皮切りに、YESと言ったがために事態が好転する経験を積んでいく。

この物語は構成がよく出来ている。
例えば起承転結で言うと転の部分、仲良くなった女の子に「全てにYESという誓約」がバレて、誓約のせいで付き合ってると誤解される。そのきっかけがFBIにテロリストだと疑われるからなんだけど、その疑われる理由がすべて今までの笑いどころになってたりとか。
設定がとんでもないのに、ストーリーが上手くまとまってるんだよなー。
その設定も、ロサンゼルスの今の人種構成を上手く反映。主人公は白人で、上司は黒人、ラテン系は陽気な友人、ネットで探す花嫁はアラブ人でひでー扱い、コンプレックスだらけの男ナースとショップ店員が韓国系。


いわゆるポジティブシンキングを売り物にした自己啓発セミナーって、一種の宗教のような部分があって、もっとぶっちゃけて言うと洗脳なんだよな、あれは。そのごく触りの部分が描かれていて、ありがちとはいえ穏やかな狂気の面白さがある。


オチから先に書かせてもらうと、この団体の主宰者は結構いい奴で、絶対にYESと言うのは最初の段階だけで、YESと言うのに慣れることが肝心だ、なんてことを言って洗脳を解く。でも日本の自己啓発セミナーの多くは洗脳したまま金儲けの材料に使うようだけどね。


ポジティブシンキングで人生を楽しめ、なんつーと、いかにも西洋人の言いそうなことだけど、日本でも「情けは人のためならず」なんていう。めぐりめぐって自分に戻ってくる。自分に戻ってくる一番大きなものは勢い、そして勇気。それは時には蛮勇でもあって笑いどころでもある。


映画なんだし、観て楽しい時間をすごして、ほんのちょっとでもいい方向に人生を変えられれば。それで十分なんじゃないの?
こういう映画を定期的に見れる環境があれば、日常生活と映画ってもっと密着したものになるんじゃないのかな。

アメリカではクリスマス映画だったんだね。
ロマンス要素も濃いし、デートムービーとしてもよく出来てるよね。


ああ、そういえば今日、ジムで飲みに誘われて適当な返事しちゃってたな・・・。