思い出してごらん 五つの頃を 手放しで泣いてた 五つの頃を


みのや雅彦に「歌があるから」つー歌がある。
要するに、夢はなかなか叶わないけど、歌があるから倒れても倒れても歩き出せる、という前向きな気持ちになれる、みのや雅彦の人生を投影するかのような内容。


たとえばこういう音楽や歌手をテーマにした歌、作家が主人公の小説、役者を演じる芝居、自画像の絵画なんかもそうかもしれない、なんかこういうのは内輪ウケつーか、普遍性にイマイチ欠けるような気がして、なんだかなーとか思ってた。
でも、作り手がそれらに命を懸けてるから、例えば衒いとか見栄とか羞恥のように表現のブレーキをかけるようなものを越えた、最大限に解放された自己表現を結実させやすいんだね。そしてそんな芸術家が見せてくれる人間の本来持つ力が魅力的に映り、なにかを与えてくれるように感じるのだろう。


中島みゆきは「五つの頃」の中でこう歌った。
「手放しで泣いてた 五つの頃を」
人は誰しも五つの頃までは表現のブレーキを持たない魅力的な芸術家なのだろうし、だからこそ子供の頃が幸せだったと思う人が多いのかもしれない。

ならば、芸術家のように生きるまで。