SING FOR DARFUR

静岡でドキュメンタリー映画を見ようと思ったら、シネギャラリーが割りと上映してくれるんだけど、音楽とか文芸とかアートがらみの題材が多くて、社会派ドキュメンタリーとなると市民団体の上映会に期待することが多い。
東京に行くときには、社会派ドキュメンタリー映画の上映日に合わせたりする。

シアターN渋谷で13:40の回。客入りは5人。
ダルフール問題。言葉だけは知ってる。
スーダン。「ギュウギュウの口の勘の狂ったデブがアフリカのスーダンに来られペットにヒナを貰った」という語呂合わせぐらいしか知らない。
タイトルのとおり、ダルフール問題を支援する音楽ライブを取り上げたドキュメンタリー、と聞いていたんだけど、実際これはドキュメンタリーじゃない。ダルフールの映像は1つも存在しない。

ダルフールを支援する世界的なライブがバルセロナで開かれる。ライブのためにバルセロナに来た女の子が、そのチケットを盗まれるところから始まる群像劇。
誰かとなにかの接点が生まれる、そのカメラは相手を追う、その繰り返しで一日が進んでいく。世界的なライブが開かれるバルセロナは、そのライブに興味のある人と、興味がない人で成り立っている。ライブやダルフールの悲劇が群像の話題に時々のぼる。でも彼らとダルフール問題との接点はそれだけ。常に他人事。


最初の女の子だってダルフール問題に興味があるわけじゃない。好きなアーティストが出てるから見に行く、それだけ。
群像の中には観光地バルセロナを訪れるさまざまな人がいる。その中には支えあいながら生きている日本人の老夫婦も。セリフ棒読みで決して芝居がうまいとは言えないものの、世界はつながってること、思い合うことは暖かいことを強烈に訴えかけてくる。


白黒を主体にした「スタイリッシュな映像」と黒人ボーカルがマッチしていて、頭にではなく心に響いて暖かくなる、どこか不思議な映画だった。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=hKErYj-ab7Q
とりあえずダルフール問題をググってみた。そういう映画なんだろう。