智満寺の霊水(島田市千葉)

いい陽気に誘われてカブでどこかへ行きたい気分に襲われた。
目的地を瀬戸谷温泉ゆらく、智満寺の涌き水に定めてなんの準備もなく出発。
途中近隣のセドリも兼ねて焼津、藤枝、島田のブックオフと焼津書店の本店を覗くもほぼなにもなし。
島田市大津通の新旧国1の分岐を右に曲がり藤枝バイパスを越えて県道217号線を登っていくつもりが、智満寺という矢印に惑わされてコースアウト、よく分からない道を延々と登っていく。途中で第2東名の工事現場があり誘導員に誘導されたのが4輪車では絶対に来たくない細い山道。登っていくと参道を思わせるお地蔵さんが導いてくれる。
山門の前には修業場だった滝。その前にカブを停めて薬師堂に向かっていると老夫婦に声をかけられる。ジャージ着てサンダル履いてカブ乗ってると地元の人に間違われることが多い。
本堂を参拝して薬師堂へ登る階段の脇を水が流れている。いい感じだ。
薬師堂の脇の石垣の間から確かに霊水がひろひろと流れ出していた。口に含むと土の味。
といっても門前の滝に比べると象の下の蟻。あの滝の水は…とたどるとハイキングコースに沢を巻くところがあり、その下から大量に湧き出しているらしい、が近づくことは出来ず。
ここから藤枝市に抜けるのに近そうだし右の道を行くことにした。
ところがどっこい、これがもはや林道ですらない道で恐れ入った。参拝客が迷うためか、最低限行き止まりに行かないための案内はあるものの、そもそも普通なら引き返すと思う。いや、そう思っても物理的に引き返せない。つーか、藤枝側からじゃ登れないだろ。熊の出そうな大き目のハイキングコース、そして急に開けて茶畑。この茶畑のアップダウンのきついのって。
延々降りていくと犬の鳴き声が聞こえた。集落が近そうだ、と思ったとき。
道がびしょ濡れになっていた。なんでだろ?と止まってたどってみると…。
道のすぐそばから水が湧いていた。染み出ているところ、そして木の根っこからはっきりと湧いているところ。なにか動く姿。カニだ。見るとカニ穴らしき穴がいくつも開いている。探すとカニは4匹いた。植物も湿地帯っぽい雰囲気。瑞々しく輝く小さな生き物の集落。まさに命の泉を見た。