森田オート

車検が迫っているのにどうもいい車がない。

車探しはしばらく置いておいてカブを買おうと。やっぱり車と折りたたみ自転車では不便に感じることが多かった。

車種はスーパーカブ。もうこれは迷いがない。もちろん中古。年季もの。というのも99年の排ガス規制でのマイナーチェンジ以降、エンジンがヤワになったという話があるから。

ヤフオクで落札することも考えたけど、輸送費となんかあったことを考えると多少高くても近くにあって直接ゴルァ出来る店の方がいいだろう。

バージョンや付属品にもよるけど、5万キロ7万円程度であれば即決するつもり。

安い店に心当たりがいくつかある。古いバイク屋とか自転車屋の片隅でバイクを扱っているような店とか。

まずは駿河大橋東側の森田オート。店の中にカブが2台いる。ともに値札がついていない。1台は昭和30年代の骨董品。値札がついていないがこれは売り物なのか?だったとしても手を出せない。

もう1台はそれほどではないにしても年季が入っている。6v車だから1987年以前。メーターは18000キロほどだが、20年以上たっていることを考えるとメーター一周して118000キロだったとしても不思議じゃない。サビは多少出ているけど見た目はかなり綺麗だ。75000キロで盗まれた前回のカブよりはるかに美しい。118000キロ走りまわった姿より、18000キロ乗った後にどっかの農家の小屋でほこりをかぶってた姿のほうが想像しやすい。

と思ってみてたら70近いだろう老店主が近づいてきたので聞いた。

「このカブ、売り物ですか?」

「うんさんまんえん」







6vだけどエンジンは快調に動くよ、オイルが漏れるけど直しておくよ、とにこやかで人が良さそうな店主。

最悪ヤフオクに出せば元が取れる値段だし、なによりあの笑顔は自信のある職人のそれと見た。

そしてカブは職人に応えてくれるマシン。即決。



実印が見当たらない。

会社で書類を提出する際に認印が見当たらず、たまたま持っていた実印を使った記憶がある。それを持って帰った記憶がないので休みなのに出社して探すがない。

帰る途中に、帰宅して郵便受けから郵便を取り出して、不要な郵便物を捨てて、急ぎじゃないけど後で内容を確認したい郵便物と一緒にどこかに置いた記憶がよみがえってきた。

帰宅して、「とりあえず物を置いておく棚」の下に印鑑入れが埋まってた。