東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
ピカデリー1で19:30の回。
ストーリーを知ってるから観ない、なんて愚かな選択はしないでほしい。
派手な場面はひとつもない。なのにスクリーンから一瞬も目を離せない。多分、ボク、オカン、オトン、
この3人にこの世のすべての人が凝縮されているからではないだろうか。
オカンに似てる親父、オトンに似てる自分、ボクに似てるお袋だっているだろう。
また、自堕落で腐っていたボクが再起するあたりが、なんのドラマも盛り上がりもなく
淡々としたトントン拍子なあたりが実にリアル。リアルといえば背景の小道具の一つ一つが
実に凝っていて時間の流れを上手く感じさせている。
でもなんといっても役者が壮絶だよ。その存在や空気を作り出す目の演技。その真骨頂が死ぬ直前。
こりゃもう今年の邦画の映画賞は総ナメ確定だろう。
ただオダジョーがいつ空耳アワーって言い出すかは最後まで心配だった。