舞妓Haaaan!!!

http://www.mag2.com/m/0000227749.htm  静岡銀幕週報より

6月12日19:00からの静岡東宝4階での試写会。

「a」の数と「!」の数を確認しなきゃいけない面倒くさいタイトルでムカツクけど
今年ここまでの邦画では段違いにいい。

キモオタ高校生が京都への修学旅行をきっかけに舞妓オタに。
この高校生役を37歳のアベサダが特殊効果も使わずにそのまま演じているところが
いい意味での演劇っぽさを醸し出す手助けになっている。
ネットで舞妓オタを気取ったところでお座敷遊びもしたことがない、ただの口先厨房。
掲示板で彼をせせら笑う荒らし(でもないのだが)は、実は年俸8億の野球選手。
なけなしのゼニで茶屋に飛び込むが、一見さんお断り。
しかし実は社長が実は同好の士。こうなると仕事をリンクさせるとはいえ
ある意味「ハマちゃん」「スーさん」の釣りバカ状態。

アベサダの七面六臂の大活躍は、最後には全面トッピといった方がいいものだけど、
人間ってのは夢中になるといかにオバカで愛らしい存在になるかを存分に物語る。
来たね、とうとう阿部サダヲが来たね。いつか来るんじゃないかと思ってたけど、やっと来た。
いや、試写会の舞台挨拶に来たんじゃなくて、時代が来たって意味で。
脇役で輝くアベサダ、というイメージが強かったけど、これで払拭。

試写会という満員の環境ということもあって、細かい(けどベタ)な部分で何度も笑いが
おきていた。大人計画の演劇の雰囲気をそのまま映画にしたような感じで、人間のバカさ加減と
愛らしさをデフォルメしつつ盛り込んで、サブカル臭への嫌悪感のようなものさえなければ、
誰からも暖かく見守られる、邦画には珍しいラブコメとして成立してたんじゃないかと思う。
ま、ラブコメっつーとちょっと違うか。
でもラブでコメだよな。エロがなくて健全すぎてびっくりしたくらいだ。

最前列で見たせいで、スクリーンに映る舞妓さんの肌の白さの代わりにスクリーンそのものが
見えてしまったのが心残り。ただそれでも舞妓さんの世界の魅力は十分に伝わってきた。
今まで全然興味がなかったけど、俺、多分、こういう遊びが好きだと思う。