富士に完敗

ふと思い立った。そうだ、富士山に登ろう、と。

カブで朝3時に出発、富士まで1時間半、富士宮口5合目まで余裕を見て3時間半として6時半。山頂まで5時間。11時半。山頂に30分。12時から2時間かけて下山、清水まで3時間もかからないだろうし、1時間風呂に入っても18:50からの映画の試写会に間に合う。

完璧な一日、のはずだった。

なのに登山を始めているはずの6時半、富士山スカイライン登山区間に入ってすぐの高鉢駐車場で半泣きになってるとは。

まず登りが思ったよりきつく、50カブではずっと2速にならざるを得ず、距離が稼げない。そこにきて霧と雨。もちろん寒い。

天気予報はいつの間にか雨と曇りになってる。卑怯。

さらに憂鬱にさせたのは登山区間入口からすぐの路肩で死んでたテン。死んでたとはいえ、テンなんかはじめて見たよ。キツネ色のタヌキかと思った。

すっかり戦意喪失。来た道を戻り始めたら鹿登場。

結果として撤収は正解だったようで、上は結構荒れてたらしい。ちょうどこの頃に9合目あたりでフランス人の若いのが滑落したとか。

富士宮市内に戻ってきて花の湯にでも入ろうとしたら8時から入浴できないとかであきらめる。

富士に向かおうと国道に出たら救急車と消防車とパトカーが。花の湯に入る前に追突してた車があったのは知ってたけど、こんなオオゴトになってるとは。軽トラの運転手が脱出できないらしい。

記念に写真でも撮ろうとしたら、レスキュー隊員がなにか動かそうとしたらしく「いたいいたいいたいいたい!」と絶叫が聞こえてきた。テレビでこういう場面があるけど、実際に見ると・・・。

足でも千切れてたら嫌だから、とっとと富士に向かう。

湯らぎの里で命の洗濯をして帰る。