下流は太る

映画の感想は映画を見た後にメールマガジンを出していることもあってほぼすべて書くけど、本のレビューは書く理由もないし、数も多いからよほどのことがない限り書かない。



しかしこの「下流は太る」ISBN-10: 459405577Xはひどい本だ。さすが扶桑社というべきか。

下流社会」がベストセラーになった三浦展の監修による。



序盤は結構まともなことを書いている。安いジャンクフードほど太りやすいのは事実だ。

しかしその後がひどい。下流層は食生活に興味がないし、知識も改善する意欲もない、と書きながら、そのあとの章では専門家を担ぎ出して下流デブの食生活を検証し、こういわせている。食生活を改善しましょう、と。

なんのこっちゃら。その意欲がないからデブってるって直前に書いてるじゃん。



結局、ただ下流デブを笑いものにしてるだけなんだよ。

悪質だよな。



大体のところ、動物をみれば分かるけど、動物は食えるものを食いたいだけ食ってる。そこには知識も意欲もない。

でも野生で肥満の動物はいないわな。愛玩動物と人間だけだ。



愛玩動物と人間が肥満になる原因は満腹中枢に異常が起きているからなんだよ。

下流と肥満をテーマに取り上げるならそこを指摘すべき。

下流で不安だから、ストレスが満腹中枢を破壊していくらでも食えるような状況に追い込んでる。肥満こそが「現状で満足してます」とかのインタビューが強がりであるなによりの証拠だとなぜ書けない?



上流はジムに通ってるからやせてるとか、アホかっつーの。

俺が今通ってるジムは今は落ちぶれて安めのジムだけど、20年前は名士の社交場だったそうで、その頃の生き残りが何人かいるんだけど、みんなびっくりするようなメタボだよ。