正社員とやらは労働力市場の底を抜いて喜んでる場合か?

昔はお大名という階級がございまして、殿様ともいいますとまことに落ち着いたもので、ゆったりしていらっしゃいますな。
明治になりましてから、あるお殿様と会食をなさいました方のお話。
ずーっとお膳が出まして、ご主人側の殿様が箸をお取りにならない。
仕方がないからお客様であるめいめいも、膝へ手を置いたまんま、おンなじような姿勢で、約1時間になる。
後で分かったんですが、殿様のお膳にだけ箸がなかった。
我々なら黙っちゃいませんよ。
「おーう、この料理は何かィ、手づかみでもって食わせんのか?俺のお膳には箸がねえじゃねえか」ってなことを言う。
箸がないぞ、と一言言うと、昔ですと係りの者が、申し訳がない、ってんで腹を切ったもんです。
人命に関わりますから、箸の来るのをじーっと1時間待ってた。この忍耐力ってえのはたいしたもんです。
殿様が暮らし向きが難しいってのは、これなんでございましょう。


林家正蔵(彦六)「初音の鼓」

これに比べると、今の殿様は暮らし向きが楽だね。
「利益がないぞ」と一言言っちゃって、派遣が腹を切ってるんだから。
いや、申し訳がない、ってんで派遣に腹を切らせて当然だという正社員が守ってくれるんだから、と言うべきか。
まさに物分かりが良過ぎるバカ。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20081219/p1
次に腹を切らされるくせにな。


労働市場の底辺の底を抜くと、市場全体が落ち込んで、回りまわって自分の首を絞めること、どうして分からんのかねえ?