マンマ・ミーア!〜ABBAとは違う「老人ホーム」の説得力

静岡有楽座で17:30の回と19:40の回。
客入りは40人ほどと60人弱。
あさってが1000円の日曜日だというのに動員数は健闘の部類。


劇団四季でも好評ロングラン中の人気ミュージカルの映画化で、ABBAの曲のメドレーで構成されていることでも話題になった。
http://ru.youtube.com/watch?v=smb2jniehp4
人気が出るはずだよ。この演目自体がよく出来てるもん。
ABBAの曲だけでどうやって話を話を作るんだ?と思ったけど、あ、そこからこの曲に行くのね、みたいな感心の連続。伏線もしっかり引いて、きっちり回収して。


しかもミュージカルファンの主力であるオバサン層の欲求を満たすようなエピソードを散りばめて。
あの層はどうしてあんなに「復活愛」が好きかねえ?
女性誌を読むと「復活愛」を掲げた興信所や霊能者の広告が多くて背筋が寒くなる思いがするんだけど、そんな需要をきっちり満たしてたり。


結婚式を控えた20歳の娘、父親が誰かが分からない。候補は3人。母親には内緒で3人とも結婚式に招待してしまう。

つーところと、劇団四季では保坂知寿が主演した、ということを知ってたため、てっきり娘が主人公だと思ってた。そりゃ保坂知寿は母親役と同世代だけど、演じてるのはいつも娘役の世代じゃん?


おすぎが「老人ホームの学芸会」と評したそうで。確かにメリル・ストリープ、こんな年寄り役か!とビビったのは正直に言おう。
でもさ、老人ホームに片足突っ込んだ世界だからこそ「The Winner Takes It Allってこんないい曲だったっけ?」とか思えるわけじゃん。
映画が盗まれていようがどうしようが知ったことじゃない。
いいものはいいから、とにかく見てみろ。
http://ru.youtube.com/watch?v=g5tbgUPBIxI


こんなの、いくら本家とはいえ、

But what can I say 私に言えることは
Rules must be obeyed 逆らえないってこと
The judges will decide 神の定めた運命に
The likes of me abide 私みたいな負け犬は
Spectators of the show この恋でも脇役
Always staying low いつも引き立て役

とか、若僧が歌ってても、ただの自己憐憫にしか聞こえないもん。
http://ru.youtube.com/watch?v=5dP2_yjFE3w


メリル・ストリープ、いいじゃん。メリルがABBA世代なのではなくて、ABBA世代のあこがれがメリルだった、ということ。そして今も、こんな年の取り方をしてみたい、というあこがれを感じさせる存在でもある。
生きることが楽しそうだよね。それもさ、光と陰とを併せ持っているから、ノーテンキなバカがはしゃいでいるだけと違って、見てるこっちまでも元気付けられるような、そんなことが伝わってくるような楽しさがあって。


使用楽曲をyoutubeのリストにしてみた。
http://ru.youtube.com/view_play_list?p=DE714C3E2D51FAC0
実は本作は既にアメリカではDVDが発売されていて、DVDそのものがyoutubeに結構アップされてるんだけど、フィンガープリントとかいう技術
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20090120/p1
を使ってことごとく削除するので、サントラを中心に、サントラ未収録曲に関してはそれなりの動画を見繕って、使用順に並べてみた。


でもこれは美しいギリシャの景色とあわせて、劇場で味わってほしいところ。
予告編はこちら。
http://ru.youtube.com/watch?v=M-tYHIdd5EU