ラビ・バトラ購読・第1講

ラビ・バトラ序説より続く


ラビ・バトラの本、まずなにから紹介しようかと考えて、
これから解説していくことにする。

なぜこの本かといえば、2006年の出版で、予言に既にある程度の結果が出ていること、そしてこれから起きる予言が書かれていること、その両方の条件を満たすからだ。
奥付は平成18年2月8日初版。
小泉劇場で沸いた郵政選挙が2005年9月11日。この直前にラビ・バトラが来日した時のエピソードやインタビューが中心になっている。


表紙を開くと、見返しに信じられない文字が並ぶ。
なんと、小泉純一郎竹中平蔵がお手本とする絶好調のアメリカ経済が、すぐに長期リセッションに入るというのだ。原油価格は100ドルを超え、2010年に資本主義が終わるという。
どんな根拠だろう?


扉には「私は、この5年に起きることをこう予測する」という「巻頭メッセージ」が載っている。
見返しの3項目のほかに「米中冷戦状態でチャイナリスク爆裂」「破滅から黎明へ 光は極東から」の5項目。
もう一度書く。小泉劇場の前後の予測である。
その頃にこんな予測をして、ラビ・バトラはどんな立場に置かれたか。
それはすぐ始まる「はじめに」の冒頭で、自らをガリレオになぞらえて、恨み節のようにこう書いている。

口を開けば「(搾取的)資本主義は消滅する」と唱え続ける私も似たような境遇にある。
ほとんどの人が、なにを世迷ごとを言うかというような顔をし、投獄こそされはしないが、異端だと退けられてきた。

世の中にはネガティブな予測しかしない人も少なくない。彼らは恐怖を煽ることで影響力を得ている。
しかしバトラはポジティブな内容の予測も行い、的中させてきた。その自信が、周囲の侮蔑的な目線をよそにこう言わしめる。

しかし、私の正しさが証明されるのに、もうあまり時間はかかるまい。

インチキなハッタリ臭プンプンである。
まるで円天事件で知られる波和二エル・アンド・ジー会長の演説を見るような雰囲気だ。
「円天を政府が採用したら貧乏人も戦争もなくせる」と堂々と言えば信じる人もいるもんだ。


もっとも波和二の演説はこの後がおかしくなって来て、一目見ればインチキが明らかになる。
http://hakaiya.web.infoseek.co.jp/html/2009/20090205_1.html
しかしバトラはここからの説得力が違う。


拝金主義が資本主義を歪め、滅ぼす、と。そうしたのは行き過ぎた市場原理主義である、と。
この、(今となっては)ごく当たり前の認識からバトラの予測は始まる。


目次をはさんでプロローグが始まる。
まず2005年7月にバトラが成田空港に降り立つ。このときのバトラの気がかりは2つ。原油価格とハリケーンのニュース。


当時の原油価格は異常な暴騰を続け、1バレル60ドルにも達していた。そう、60ドルが異常な価格だったんだ。
まして100ドル、なんて非現実的な数字だ!
ちなみにこの本の後、しばらくはこの水準で揉み合い、上昇し始めたらあっという間に150ドル近く、そして急落。今日は40ドルちょいで取引を終えたようだ。

http://59.139.31.85/cgi-bin/d_cht.cgi?c=A2NMX02_00_3_1


もう一つ、メキシコのハリケーンのニュース。これについては後から大きな論点となってくる。
そしてこの後に過去の予言内容の検証が行われるのだが、これに関しては記述済みなので割愛する。
http://d.hatena.ne.jp/RRD/20090203/p1


この検証の前に、ラビ・バトラの予言の、一番大切なことがサラリと書かれているので、これを指摘して今日のところは稿をおさめたい。

長期にみれば輝かしい未来につながるわが経済予測


ラビ・バトラ序説
ラビ・バトラ