正義の裁判官を左遷させないためにも最高裁国民審査に注目せよ

冤罪ファイルの9月号が発売になってる。
今月は足利事件のほかに引野口事件、東電OL事件、御殿場事件、特急あずさ窃盗事件がコミック形式で取り上げられてるので、読んでない方はバックナンバーごと注文して読んでください。
amazonマーケットプレイスではプレミアがついてるけど、冤罪ファイルのwebで買えるみたい。
http://enzaifile.com/backnumber.html

冤罪File (ファイル) 2009年 09月号 [雑誌]
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キューブリック 2009-08-01
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全部が全部ひどい話で、この手の冤罪事件が今でも、専門雑誌として何号も取り上げるほどあるってのはさらに恐ろしい話なんだけど、じゃあどうしたらいいのか、この現状を変えるには俺たちに方法があるのか、っつーと、本来はあるんだ。
国民が司法に直接関与する手段として、最高裁判所裁判官の国民審査ってのがある。
これは投票者の過半数が×を書いて投票した裁判官は罷免されるという制度。


とはいえ、いまだかつて罷免された裁判官なんか一人もいない。最高に×つけられた下田武三ですら15%、端っこに名前の書かれた裁判官が×つけられる率が高い傾向があるとか。
まったく機能していない。なんで機能しないかっつーと、誰がどんな判決出したか、よく分からんから判断出来ないと思われてるからじゃないだろうか?


でもそういうことじゃないと思うんだ。
先に出した今月号の冤罪fileにも掲載されている特急あずさ窃盗事件、これは東京簡易裁判所の浅見牧夫裁判官が、これはおかしいと感じて職権で現場検証して、無罪判決を出してるのに、東京高裁でひっくり返されてるんだ。
で、2006年に武蔵野簡易裁判所に転勤になってるのに、その年にまた今度は八丈島簡易裁判所に転勤になってる。
浅見牧夫裁判官については今井亮一さんが詳しく書いてる。

 私は2004年から2006年にかけて、浅見裁判官の裁判を13件、傍聴してる。当時は東京区検オービス公判請求が多くて、13件のうち11件はオービス事件だ。
 首都高・湾岸線東行きのオービス?Lkの否認事件で浅見裁判官は、じつはオービスが怪しいことに気づいたようで、現場を検証をしたいと言い出した。実現はしなかったものの、そんなことを自発的に言い出すこと自体、ほとんど前代未聞。どっひゃ〜ん!! と仰天したものだ。
http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-1291.html

下級裁判所の人事権は最高裁判所が持ってる。具体的には最高裁判所の裁判官会議で指名して、内閣が任命する。
浅見裁判官の八丈島転勤が左遷なのか、正当な理由があるのかは分からない。ただしその人事を決めたのは最高裁だ。
最高裁判所裁判官の国民審査は、決して最高裁の法廷だけを基準にするべきではなく、今の日本の司法制度すべてを信任するかどうかが問われている。
だから基本、全員に×をつけるべきで、その中で残ってほしい人がいる場合にだけ×を消すべきだ。


それでもボクはやってない」って映画がある。

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おすすめ平均
starsもはや通勤電車には監視カメラを搭載するべき
stars冤罪の怖さ
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公開前に静岡東宝周防正行監督を招いて試写会とティーチインが行われたので参加した。
俺にはこの映画を見終わって、どうしても周防監督に聞きたいことが残った。
なぜ最高裁判所裁判官国民審査について一言も触れなかったのですか?って。「Shall we dance?」でダンスブームを起こした周防監督だもの、国民審査ブームだって起こせたんじゃないですか?って。


だから質問タイムで俺は手を上げ続けた。もちろん会場では大勢が手を上げてた。周防監督も丁寧に答えてた。
しかし時間の制限があって、最後の一人。どうしても質問したい人、という司会者の条件に俺の質問は見合ってると確信していたので手を上げ続けた。ほかに手を上げてた人が一人降り、二人降り、俺ともう一人、固太りのおっさんが残った。
どちらも降りない。早くしろ、という周囲の視線も痛くなってきた。針のむしろの上に1時間ぐらい座ってたような気がする。


相手を見ると、まるで北朝鮮金日成像のように片手を上にビシっと上げて正面を向いたまま微動だにしやがらない。なにがあっても引かないぞ、明日の朝まででも上げ続けてやるぞの体勢。ありゃあの時に火事になってたら、あの格好のまま黒焦げの焼豚になってただろうね。
こっちも引き下がりたくはなかったけど、なにせ引かないと同類と思われそうでとうとう断念。場内にほっとした空気が流れた。


で、マイクを向けられたキモオタの質問。
ボクはキモオタだから(意訳)こういうふうに疑われそうになったことがあって、だからこういう映画を作ってもらってよかったと思います、みてえなくだらねえ自己主張。質問じゃねーだろ、それ!
うっせーボケ、クズ、死ねよキモオタ。もう、あんまりにむかっ腹たって、帰り道でよっぽどしばき倒して、頭と足とを掴んでぐりっとひねって油を搾り取ってやろうかと思ったくらいだ。ああいうのは本当に油で出来たカス人間だよなー。油カスなら富士宮焼きそばに入れて美味いけど、ああいうオタクは文字通り煮ても焼いても食えやしねえ。