サイドウェイズ

静岡ミラノ1で14:00の回と16:30の回。客入りは20人ほどと10人ほど。
2004年にアカデミー脚本賞を受賞した洋画の「サイドウェイ

の日本リメイク。


主演の生瀬勝久にしても小日向文世にしても俺より一回り上の世代。こういう上の世代の映画ってよく分からないことが多いんだけど、これはよく分かる。元ネタの「サイドウェイ」でピンと来なかったものが、このリメイクで見事にはまった。

もっともこの映画がリメイクされるという話を聞いたとき、こういう映画になるとはまったく思わなかった。
アメリカ人がカリフォルニアワインの産地であるナパバレーを旅するロードムービーをリメイクするんだから、甲州ワインの産地である山梨とか、絵的に考えれば十勝ワインの北海道とかを旅するものだと思ってた。ところが元ネタそのまま舞台はアメリカ、ナパバレーを訪れる。


でも、だからこそこの世代特有のアメリカへの憧れというか、80年代の洋楽を多用するのが生きてくるのよ。エンディングの「Time after time」なんか涙もの。「Time after time」って、若い衆にとってはアニメの名探偵コナンで使われた同名の曲のことらしいけど、やっぱり本物はシンディ・ローパーだよ。

ある程度の年齢までは、なんかあったらそれはとりあえず置いておいて勢いで前へ進める。でもいつの間にか、なんかあったらなんかをあきらめて覚悟を伴って前へ進まざるをえなくなる。嘘をつくにしても、ごまかすための嘘じゃなくて、本当にするための嘘だったりする。
そのときに生じる、なんかをあきらめるときの歯の食いしばり方つーか、やるせなさみたいのは男の美学だよなー。
俺は結婚したことがないけど、結婚すると泣きながらムスタングのバンパーを壊しまくる日々が待ってるのか、と思うと陰鬱としてくる。


とはいえ、この映画の基本はコメディ。
なにせ生瀬勝久小日向文世、この二人にかかっちゃ、なにやったっておかしいよ。