THIS IS IT〜スーパースターだと初めて分かった

静岡ピカデリー2で12:45の回。客入りが驚きの60人ほど。平日の昼間にこんなに入ってる映画も珍しい。この前の回も同じぐらい入ってた。
客層はメンズデーだというのに50代のおばちゃんがほとんど。つーか、マイケル・ジャクソンと同年代。

マイケル・ジャクソンが偉大だというのは、一回り下の世代の俺でもよく分かる。
ただ、俺にはそんなに思い入れはないんだよねー。せいぜい「I'll be there」をカラオケで泣きながら歌ったことがあるぐらいで。
つーか、その場にフった女の子がいたとして、何の考えなしに選曲して歌ってから意味に気付いたら泣くだろ、普通。

Let me fill your heart will joy and laughter
Togetherness well that's all I'm after
Whenever you need me
I'll be there...

うーん。やっぱりこの曲には思い入れがあるなw
「I'll be there」を歌う50歳のマイケルを見ると、なんか複雑だった。


とはいえ、それ以外の部分では思い入れは特にないんだけど、でもそういう人がこの映画を見て、よかった、とかいうのを聞いてるからどうも気になって見に行ったんだけど、いやー、見てよかった。
DVDとかじゃ全然ダメだよ。腹に響く低音とか、リハーサルの記録画像だから許されるアングルの迫力とか、映画館じゃないと再現できないと思う。
幻のコンサートのリハーサルを記録した映像をもとに、幻のコンサートを実現する。

マイケルがスタッフの力をきちんと認めてて、それを尊重する姿勢も素晴らしい。
完璧主義者のマイケル・ジャクソンと、それを体現しようというスタッフの真剣な向き合い方も実に素晴らしい。
スタッフの演出に「その意図は分かるけどやりにくい。今までそういうことをやって来なかったから。あわせようと努力してるけど、難しい」というマイケルもかっこいいし、「じゃあ、こうしたらどうだろう。他にこちらが出来ることはあるかい?」みたいに打開策を打ち出していくスタッフもかっこいい。


この映画のすべてがかっこいいよ。
スーパースターとはなにか、初めて分かった。

晩年のマイケルって、「白人になりたがって整形を重ねて顔面が崩壊した鈴木その子もビックリする厚塗り白化粧の奇行の目立つキモいショタコンオヤジ」として映し出されてたけどさ。でも今年死んだのは、そんなキモいショタコンオヤジの部分なんだよな。
マイケル・ジャクソンというスーパースターは、ステージ上で、あるいは記憶の中で、いつまでも生き続けるんだと確信した。