日本人の知らない日本語2

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Twitterでよく使われる俗語「なう」を、ひらがなの持つ女性性に注目したところから生まれたエントリ。実はブコメでも指摘した人がいるけど、このエントリでひけらかした日本語の知識には元ネタがある。それが2009年のベストセラーにもなったこの本。

日本人の知らない日本語
日本人の知らない日本語
メディアファクトリー 2009-02-18
売り上げランキング : 35

おすすめ平均 star
starおもしろい+α
star面白い!
star日本語を知ろうとする外国人学生の貪欲な勤勉さを通して日本語の奥の深さを改めて知る!

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外国人に日本語を教える日本語講師のエピソードマンガ。これが実によく出来てるんだ。
なにより外国人生徒の失敗が微笑ましい。そう、微笑ましいんだ。これがポイント。
無知な外人の失敗を見下して笑うんじゃなくて、一生懸命勉強している生徒に誠実な凪子先生がひたむきに、そして愛情を込めて接してるのがよく伝わってくる。
そして俺たちが普段意識しない日本語について、意識の盲点にありながら日本語の要になるような知識がふんだんに盛り込まれている。日本語に対する認識が変わってくるよ。


絶対続編があるだろう、と思ってたら案の定、1年のブランクを置いて出て来た。
シリーズ化されて多少のパワーダウンは仕方ないか、という諦観は一切不要。今回も実に良かった。
「県」という文字は生首を逆さにぶら下げた象形文字、という話は地方公務員叩きに絡めていずれどっかで絶対に使おう。とか。

ひとりのみどりごがわたしたちのためにうまれた

イエス・キリストが生まれた場面が聖書にある(たとえばイザヤ書9-5)んだけど、この「みどりご」って言葉をキリスト教がらみ以外で聞いたことがなかった。だから宗教用語かと思ってたら、嬰児のことを「みどりご」って言うんだってね。
「みどり」というのは本来は色の名前ではなく、若い存在のことをいうんだって。そして今で言う緑色を含めた寒色のことを総称して「あお」と言い、したがって緑信号のことを青信号というらしい。とか。


「ば」「ぱ」のような濁点・半濁点の「てんてん」「まる」がなぜ生まれたか、とか。これを知ると、日本人の文化に対する考え方がよくわかる。とか。
結局は「文脈で判断しろ」「空気読め」で成り立ってる文化だ。でもそれじゃ対応出来ないことが出てきて、そして柔軟に変化する。


遠まわしにものを言うレッスンがある、とか。
日本文化と対比した諸国の文化とか。


前作の、日本語に初めて感じた自他のカルチャーショックのようなものこそ薄れはしたものの、キャラクターの魅力が一層充実して余りあるものになってる。
今年一番のおススメの本になりそう。

日本人の知らない日本語2
日本人の知らない日本語2
おすすめ平均
starsおもしろくてためになる
starsこりゃ売れるわ。
stars楽しい+知的
stars日本語学習者の熱意、素朴な疑問、笑いと日本語のマメ知識
stars待った甲斐がありました

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