ボーイズ・オン・ザ・ラン

静岡シネ・ギャラリー右側で13:05の回。客入りは13人。
久々に熱くなれるいい映画を見たね。つーか、非モテだのクソだの言って自己憐憫の甘い快楽に耽ってる春休みのクソみたいなクソオタクは100回見て走りだせ、つーの。


原作は週刊ビッグコミックスピリッツに連載されていた同名のコミック。俺はスピリッツは創刊から欠かさず読んでるんだけど、この数年は作品として読んでるのは「気まぐれコンセプト」だけ。あとは惰性で目についたものを読む程度。
そして一時期よく目についていたのが「ボーイズ・オン・ザ・ラン」だった。だって汚いんだもん。キモイ男がチンコ丸出しで泣きながら鼻水垂れ流したりしてて。
ストーリーは、ボクシングをやったり、女の子を連れて暴走族から逃げてたような?

ボーイズ・オン・ザ・ラン 10 (ビッグコミックス)
ボーイズ・オン・ザ・ラン 10 (ビッグコミックス)
おすすめ平均
stars親近感がわきました
stars尻切れトンボ的なラストが惜しまれる
stars最高の結末
stars大傑作!
starsおそらく評価が二極化される作品

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そのぐらいの認識しかなかったんだけど、映画の予告編がよく出来てるんだわ。人間のむき出しの魂が見せる液体系の汚物を見事に隠し通し、むき出しの魂だけが伝えられる魂のゆさぶりだけを映し出してた。



非モテクソオタクに好意を寄せるトロい女の子がいて、男の方も不慣れだからモタモタしてどうにもならん。一度「イヤだ」とか言われちゃうと必死に戸惑ってギクシャクしちゃうんだよな、それがすげー分かって痛過ぎ。見てらんね。
その描写がまた記号的て陳腐なんだけど、一方で飾ろうとする部分がなくて妙にリアルだったりする。
これは今だから「その「イヤだ」は「好き」の意味だろ、バカだなー、こいつ」とか思うんだけど、正直いうと俺もこういう戸惑いに心当たりがないわけじゃないから、思い出してイライラしてくる。


で、アクシデントがあって寝取られるわけ。
他人が食べているものを一口だけ食べたがる場面と、食べているのを見てお腹いっぱいだと言う場面との比較で、裏でなにが起こってるかの暗示を明示してたり、ストーリーとして次になにが起きるかはバレバレ。だから見ていて裏の事情を知らない立場にもなれるし、知ってる立場にもなれる、その両者に立ってこそ見えてくるものがある。
それが女の正体ってものなんだろう。


その正体をたたきつけられるのが現実だとしたら、そりゃあ汚かろうが、みっともなかろうが、魂むき出しで走りだすしかないだろ。頭で考えちゃ駄目だ。狂気を引きずり出さなければ戦うことなんか出来はしない。