パート・アルバイトでも履歴書に正社員と書いていいケース

まずそもそも正規雇用・非正規雇用という単語に明文法による定義は存在しない。
厚生労働省労働経済白書での定義を使うケースが多いようで、そこではこう定義されている。

正規雇用(特定の企業と継続的な雇用関係を持ち、雇用先の企業においてフルタイムで働くこと)

第1節 企業の雇用方針・労働者の就業行動の変化と就業形態の多様化

月給制とか、ボーナスの有無とか、制服の違いとか、仕事内容とか、社内での呼称とか、そんなことは一切関係ない。
1 特定の企業からの雇用(直接雇用)
2 継続的な雇用(契約期間を定めない)
3 フルタイム労働(就業規則の労働時間の全部)
条件はこの3つだけ。
したがって、時給制でフルタイムの「アルバイト」「パートタイマー」も正規雇用であり、正社員だと言えるのよ。


つーかそもそもフルタイムのパートタイマーって意味不明じゃん。そんなのは法律的に存在しない。現にパート労働法を見てごらん。フルタイムパートタイマーwはこの法によって直接的に保護されていない。

第二条  この法律において「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(中略)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO076.html

ただし、厚生労働省の告示でフルタイムパートタイマーwもこの法律の趣旨が考慮されることになってる。これは決して厚生労働省の手落ちではなく、本来は存在するはずのないフルタイムパートタイマーwという正規雇用の存在を同法によって公認してしまう事態を避けたと解するべきだと思う。


世間にはいろんな正社員がいる。時給制の正社員や日払いの正社員や完全歩合制の正社員もいる。
そんなのが正社員って言えるか!月給制でなければ正社員じゃない!とか言いそうな正社員もいるだろうけど、じゃあお前の会社は月給制なのかよ、っつーの。
月給制つーのは働いても休んでも一定の給料が保証される制度のことを言うのよ。年俸制を考えてごらん。プロ野球選手が欠場したからってその分の支払いが減らされるなんて話はないわけでね。
有給休暇がない状態で欠勤したら、その分の給料を減らされるのは日給月給制。
もっともこの辺にも正確な定義がなくて、これはハローワークの基準。こういうのを月給日給制といって、日給での雇用契約をしていて月払いするのを日給月給制と分類するケースもあるようだけど。


だいたいこんな感じで、民間企業には法律以外の共通のルールなんか存在しない。たとえば上場企業なら上場企業としての株式市場が求める共通のルールがあったりするし、大企業なら大企業のサロン的な暗黙の了解みたいのはあるけど、そうでなければ合法ならなんでもありだ。
その合法ならなんでもありの社会で苦しめられてるんだったら、その合法ならなんでもありをこっちでも使わせてもらわなきゃ。


要するにフルタイムパートタイマーwとは正規雇用者の賃金水準で働く正規雇用であり、履歴書の職歴に「正社員」と書いても法的な虚偽記載には当たらない。
どうせ誰も調べはしないけど、万が一後から明らかになって虚偽記載でクビになったら、裁判で争って欲しい。弁護士の着手金ぐらいは俺がオゴるから。(ただし顛末は俺の権利で出版させて欲しい)


とはいえ現実問題としてフルタイムパートタイマーwという非正規雇用は存在するわけで、雇用形態が身分制度に直結しているクソッタレた日本では被差別階級にあたり、これを世間基準で馬鹿正直に書けば確実に履歴書は穢れる。
しかし、転職でロンダリングすること前提で考えるのであれば、積極的にフルタイムパートタイマーwという選択肢が生じて来る。就きたい業種があれば積極的にフルタイムパートタイマーとして入社して実績を作って、「正社員」として転職するのも手。


最悪、こういう道があることを知っておけば、いつかなんかの時に役立つと思うよ。


イラストでわかる 知らないと損する パート&契約社員の労働法 Ver.3 (Illustrated Guide Book Series)