夕暮れが好きだから今更ミスチルが好きになった

基本、俺は音楽にはさほど興味がない。
世間の人が音楽を聞く時間、俺は落語を聞いてる。
音楽が嫌いというわけではない。強烈な思い出について回る曲のいくつかがないわけではないし、中島みゆきには人生の大切なことをすべて教わった。
とはいえ、ラジオ育ちだから音楽は曲ではなく局で選んできた。80年代後半には短波で海外ロックを聞いてた時間が長かったし、有線でj-waveの時代を挟んで、最近ではshoutcastで海外ネットラジオのヒーリング音楽を聞いてる。


Jpopねえ・・・。なんかどれも一緒でねえ・・・。
ミスチルとかエックスジャパンとかグレイとか、名前はよく聞くけど、正直なところ区別が付かない。
だからap bank fesとか聞いても全く知らなかった。事業に融資をしてるという。どっかのサラ金が名前を変えてイベントをするんだと思ってた。


諸般の事情で具体的には書けないけど、スタッフとして3日間、このap bank fes2010に携わった。実に素晴らしい夏の幕開けとなった。
イベント事が好きで、機会があれば関わってきてるけど、これだけ素晴らしいイベントも珍しい。


音楽に興味がないから、屋外フェスというものとも縁がなかった。強いて言えば、30年以上前に函館千代台球場でゴダイゴが野外コンサートをやったときに中島町のおばあちゃんの家から見えた、その程度の縁。


仕事の関係でライブエリアには近づけなかったけど、その外で展開されている出店や体験コーナー、つま恋の芝生と夏の青空と雲とビール。そしてライブ会場から漏れ聞こえてくる音楽。なんという出会いのものだろう。
なんかみんな幸せそうだ。


初日の夕方。知らないはずの人たちのライブで、知ってる曲が聞こえてきた。
Mr.cildrenの中島みゆき「糸」のカバー。

それまで雑音として聞こえていた音が、初めてメッセージとして伝わってきた。


やがて聞こえてくる音は、俺の大好きな紫色の夕闇と似合うバラードと心地いいリズムとなって心に染みてくるようになった。
2日目、3日目と進むうち、ライブエリアに入れないお客さんも漏れ音で思い思いに楽しんでいることに気がつくようになった。
ハッピー感全開で、漏れ音にあわせて飛び跳ねながら帰っていく人の多いこと!
丘の上からはステージに決して音としては届くことのない拍手、拍手が途切れたかと思うとみんなで手を振ってたり、肩を組んでたりする。


イベントのスタッフをやってて、これだけお客様から話しかけられたり、「ありがとう」とか言われたりするのは大道芸ワールドカップin静岡ぐらいなもんだよ。いい人達ばっかりだ。


大道芸といえば、どこを探してもまとまった情報がないのでよく分からないけど、本当にいいところの大道芸人が回遊して盛り上げてた。
俺が知ってるところでは高足3人組・SPEC、白き大男・SLAYERSの早太郎、白いサラリーマン・SHIVA、目玉の二人組・MEDAMAN-MEDAMAN。あと名前が分からないけど緑の女装の貴婦人とブリキのやかんをかぶったハネの生えた高足とクラウンが2人。
この4人もレベル高いんだ。列整を手伝ったり、アドリブ効いたり。
つーか緑の(多分女性)クラウンは、俺が見た中でクラウンとして一番説得力があったなー。誰だろ?
くっそー、客だったら間違いなく追いかけていろいろ話をしてるのに。


そんないい雰囲気の中、仕事しながらの漏れ音で印象に残ったのはこの曲。

つーか、オリジナルを初めて聞いたよ。「しるしでっせー」も聞きたかった。

Twitter見てたら、なんか幻の曲らしい?

どういう事情で幻になったか知らんけど、この曲も聞いたことがあるなー。

またこれが夕暮れに合うんだ。
俺、夕暮れも好きだからミスチルも好きになったよ。来年は客で来よう。