ACACIA

静岡シネギャラリー右側で12:45の回。客入りは20人ほど。


函館のイメージって、世間的には異国情緒あふれる北の観光地なんだろうけど、実際には寂れの街だ。俺がいた頃に32万いた人口は、3町1村と大合併したにもかかわらず現在は28万だ。

オール函館ロケで撮られたこの映画に観光地は出て来ない。舞台は廃墟となった市営住宅と公園、旧陸軍の施設、廃止された後に寂れた記念施設になった青函連絡船だ。

またこの住宅がなー、俺が子供の頃に住んでた住宅と同じ形をしてるの。朱色のトタン屋根の平屋の長屋形式で外に倉庫付き。敷地内には管理しきれない野草が咲き乱れて、しかもそれが大麻草だったりしてさw


またさー、主演のアントニオ猪木の演技の下手なことと言ったら!本当に人にモノを伝えるのが下手なんだわ。リアルでいるよ、こういう人。

だから、すげーリアルなの、この映画。作り物のようなありがちでベタなストーリーなのに。


寂れた街を舞台に、寂の末路を送る老人と少年の一夏のふれあいストーリーはありがちだけど、その進み方はちょっと独特。

まどろっこしい雰囲気描写や暗喩ばかりが続くと思ったら、急に直球で迫ってきたりする。その時にドキッとするのは猪木の持つ説得力と子役の林凌雅の演技力のせいなんだろう。