カメラワークという名の振り付けされたダンス

モーニング娘。とか全然興味はないんだけど、この動画は衝撃的だった。

というのも、この動画を見たのがこの春から始めてるビデオ撮影の仕事で下手打った直後だったからだ。途中の肝心な場面で一部しか映らない事に気づいてヤベえ、移動しようかと一瞬迷ったけど、移動してたら完全に撮り逃がしてた。そこだけは正しい判断だったとはいえ、それ以外は最悪だった。


下手打った理由は、やはり段取りを把握してないこと、にも関わらず近くから撮ろうと突っ込んだことに尽きる。
つーか、こういうふうに撮ってください、と渡されたサンプルがその場面を近くから撮ってたからなー。おとなしく引きで撮っておけば良かった。


とか思いながらこの動画を見てたわけだ。
これはもう、カメラマンが台本通りに、一挙手一投足を振り付けされた通りにカメラを動かしてるような感じなんだろうなー。被写体がこう動いたときに、カメラはこの位置からこう動かして撮る、その決まりごとをそのままやってるんだ。どう撮ったらどう見えるからこう撮ろうとか、そんなことはカメラマンは考えてないんじゃねーの?


といえば簡単なことに見えるけど、実際は大小ハプニングがあるもんね。ハプニングじゃなくても、カメラマンが想定してたのと違う見え方をすることだってあるだろうし。


当事者は最終的に完成形がどんな映像になるか、仮に分かってなかったとしてもこういう映像を作れそうだ。リズムに合わせて指示された振付でカメラを動かせばいい。
ならばそれはカメラマンのカメラワークの技術じゃないと思う。カメラマンを称えるならば、カメラを使ったダンスの上手さを称えるべきだし、カメラワークを称えるならばカメラマンではなく動かしたプロデューサーとかそういった衆を称えるべき。


解説でズームワークについて触れてる部分がある。
そこでもカメラマンはズームで映してる意識は薄いんじゃないかな。この位置にきたらなにが写っていようとズームイン・ズームアウトの操作をする、という意識のほうが強いような気がするなー。


モーニング娘が左から右に指を指す場面があるけど、あれは隣のヤツがぼーっとしてて指さなくてもそのを一人おいて次のヤツが指を指すと思う。それと同様に決まった位置に被写体が来なくてもカメラは決まった位置に先取りして動くはず。


ここにあるのは個人の技術の集大成ではない。マスゲームの仕組みというべきもの。