探偵はBARにいる


久々に面白いと思える映画だった。とは言っても、出来自体はそんなによくはないと思うんだけど。
冒頭のシーンからストーリーの順番に撮影して、途中で東日本大震災があって中断したとの。その中断がなんか分かるんだよね。途中から雰囲気がガラっと変わってくるの。これは話が変わるんじゃなくて、役のこなれ具合が変わってくるというか、わざとらしい部分が急になくなるの。
それ以降はぐいぐい入り込めていける感じで。


舞台としては年代不明の札幌、まぁ古いんだわ。昭和の匂いプンプンで。探偵の依頼は行きつけのバーへの電話で取次。
その古さがいいんだな、これが。


大泉洋は監督の数年来の思い入れで起用したそうで、その思い入れが裏目に出てるんじゃないかという気がするんだけど、松田龍平小雪がいいんだ。
特に小雪ね。この人、すごいわ。善人なんだか悪人なんだか、ミスリードがいくつもあるんだけど、状況から言うと善人なんだけど悪人に映る善人を装った悪人の振りをした善人とか、そういう演じ方が出来るんだよなー。ラストの純白ウェディングドレスで返り血を浴びながら満面の笑みで拳銃乱射とか、これヒットしたら映画史に残る場面だよ。セーラー服と機関銃薬師丸ひろ子より絵になってた。