11.25自決の日

三島由紀夫について、例えば文学や歴史や政治のクイズを出されたら、俺も結構答えられると思う。じゃあ三島由紀夫について結構知ってるのかと言われれば、何も知らないに等しい、と思っていた。

まして森田必勝といえば、それこそ「うしろの百太郎」で三島由紀夫を騙って自動書記させてた霊としか知らない。

この映画に描かれていることは、ほぼ間違いなく寸分違わぬ事実なのだろう。

現代日本で動く三島を見る唯一といって良い手段、youtubeで公開されている動く三島はまさにこの映画に描かれている三島由紀夫であり、東大全共闘の対話や市ヶ谷での演説は再現の粋を超えている。

あまりにもリアルだからこそ、ますます三島由紀夫がわからなくなった。

本当にこの人には意思があったのか、と。

森田必勝に操られてただけなんじゃないかと。「うしろの百太郎」でつのだじろうが描いたことはそういうことじゃなかったのかと。

うしろの百太郎―心霊恐怖レポート (1) (講談社漫画文庫)
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追い込まれていく雰囲気に関しては、同じ若松孝二監督の「実録・連合赤軍」には遠く及ばないものの、でも恐怖なく追い込まれていく時というのは、案外こんなものなのかも。

少なくともスクリーン上のリアルは、そこにあった。でも同じ追い込まれ方なら「シルミド」の方が圧倒的だったな。