自営業が減収を立証する矢面に非正規公務員を立たせるな
お前は誰?
休業した場合の補償額を算定したりする仕事もしてます。
何が言いたいの?
いろんな仕事をやってるんだけど、休業補償額の算定だけは本当につらい。(他の仕事とバーターみたいなものだから断れない)
特に自営業者の休業補償額算定は半分以上トラブルになるのを実体験してます。(トラブルになりそうな案件だけ俺のところに依頼を出すという説もある)
ある程度の知識と経験と度胸と愛嬌があってもそうなのに、非正規の多い底辺の窓口公務員じゃ無理ですよ、病みます。無茶苦茶言われる程度はコールセンターの比じゃありません。
脅してくるヤツも多いしね。その脅しも教科書的なパターンに沿ったものならいいけど、自営業やろうって海千山千のオリジナリティあふれる衆だもん、どこからなにが飛んでくるか分からないから、本当に怖いです。
減収した証明を提出して現金支給する制度はやめた方がいいです。やらない方がいい、と言ってもいいかもしれません。
自営業はどうやって減収を立証するの?
労働力をゼニに変える仕事の場合
偽装請負をイメージしてもらうといいでしょう。
今までもらっていたギャラともらえなかったギャラを比較すればいいだけの話なので、立証は楽です。
一般的には過去3か月の報酬明細・現場出入りの記録と当月の報酬明細・現場出入りの記録を比較して差額を出すだけです。
複数の現場を持つ場合や、発注元が記録を提供してくれない場合、保険の実務では発注書やスケジュール表、googleマップのタイムラインで休業の事実を証明して、金額は銀行の通帳の写しや確定申告書で過去の平均値を算出して差額を計算します。
それでも、現金とっぱらいで支払ってる現場とか、ぶっちゃけ違法な現場とかあってモメることがありますけどね。
賃金台帳とか言って、お前さっき裏に行ってエクセルで名前と金額だけ入れただろ、ってのも稀によくあります。ファイルの作成日時がさっきだぞ、ってのが。
サービスをゼニに変える仕事の場合
いわゆる販売小売店がこれにあたります。
これもしっかりと店を閉めてくれれば立証が楽な部類です。
店を閉めれば周囲にもわかりますので、なかなか嘘をつきにくいです。虚偽申告をしても近隣に聞き取りすれば一発で判明します。詐欺罪は重罪ですよ。商売をやっていればそんなことは承知なので、ここで嘘をつく人はまずいません。
あとは前年の確定申告書で1日当たりの平均の金額を出して、現状との比較をすればいいのです。
ただ営業してもしなくてもかかる費用、例えば家賃などの固定費を補償対象にするか、というのは事前に決めておく必要があります。
通常の保険業務で損害補償する場合には、収入と固定費を補償します。今回は「減収」を補償するようです。
たとえば、売上増で固定費がそれ以上に増えていた場合は利益が減るので減収といえますが、売上増だから減収ではないという理屈も成り立ちます。その逆で、売上減で固定費がそれ以上に減った場合とか。
設備投資したあとに昨年との比較をした場合には起きりうる事態ですが、どうするんでしょうね。
固定費ひとつとっても、例えば光熱費も一般的な税務上は固定費になります。ただ、居酒屋の冷蔵庫は営業していなくても電気代はかかるので固定費といえますが、パチンコ屋の電気代は営業してなければほとんどかかりませんので、変動費だと言えば言えます。
この辺がモメるときの要因になります。
事故での休業損害で一番モメるのは、中途半端に営業するケース。潰れたと思われたくないから店を開けておく、そこで多少の売り上げがある、なんて場合です。
休業してないじゃん、減収は単なる営業不振で、もとからその程度の売上なんじゃねーの?という。
今回の政策は減収の理由は問われてないので、ここが問題になることはないでしょう。
その分は楽です。
モノを作ってゼニに変える仕事の場合
主に製造業です。あと農業漁業とかも。
これは確定申告書だけでは把握しきれないので、仕入れや納入の実態から算出しなければならないケースが多いです。在庫が腐るかどうかでも全然変わってきますし。
仕入の帳簿、在庫管理表、販売台帳などが必要です。
ここはじゃんじゃんモメてきます。
特に個人でやってる場合、本当に休業しているのか、まったく立証が出来ません。
また在庫がどれくらいあるのか、外部からは誰にも分りません。減収といっても在庫が積みあがっていて、収束すれば反動需要にこたえられる状態にしてある、それって本当に減収でしょうか。
あるいは腐らない仕入れを大量に行って目先の収益だけ悪化させて減収とするとか。
それはまだいいにして、逆のケースが一番起こりそうで怖いのですが、リアルタイムで在庫管理をしていて在庫金額が増えているので減収ではない、という基準で、キャッシュフローだけが悪化していくとか。
あるいは減収を前年との比較で立証する場合、設備投資などによる条件の変動が非常に大きく、しかも頻繁に発生するという特徴があります。
機械を2台に増やしたので2倍の売上があるはずなのに、去年の機械1台での売上との比較だと減収にならない、みたいの。納入を約束してた、してない、それは契約として認められない、いやそういう慣習だ…以下略
製造業のたちの悪いのは、一般の顧客を相手にするわけじゃないので、近所の評判とかを気にする必要がないんですよね。だから本当に無茶言ってくることがあります。
以上のミックス業態の場合
切り分けが必要になってきますが、まず業務の実態を聞き取り調査して…もうええわ。
手続きだけじゃなくて
減収の立証の手続きだけで大変なのですが、また自営業者ってのは頭のおかしい人ばかりで、困るのですよ。
大半は、社会保険があるわけでも名誉があるわけでもない勤め人以下の待遇でやってる、ぶっちゃけ勤め人が務まらない衆です。
残りの少数は天下とって今太閤を気取って、全部自分の手柄だ、周りはみんな無能力者だと思ってる衆。
まともな人がいるわけがありません。
なんでもいいから儲かりゃいい、嘘をついてもばれなきゃいい、積極的に嘘をつかなくてもそっちに誘導すりゃいい、怒鳴り散らしても通ればいい。
共通するのは、どうせリスクはないんだからダメでもともとやってみよう、という。こっちが出した300万という休業損害額に不満があるというから、じゃあいくらだと思うか書面でください、と言ったら700万円の請求書1枚と、その請求書の作成料として50万円の請求書を送ってきたり。
こういうのが確かに商売の本質ではありますが、それを武器にして襲い掛かってくるわけですよ。いちいち真に受けてたら太刀打ちできません。
自営業者の弱点とは
頭のおかしい自営業者にも弱点があります。特に脅してくるタイプは脅されるのに弱いです。
もっと具体的に言えば、監督官庁や管轄市役所の幹部、銀行の支店長クラス、市議レベルでも政治家、こういったところに非常に弱いです。
「市役所の交通基盤部の部長知ってるんだぜ」自分がその部長に弱いからって、これで脅してるつもりだったりするのですよ。
逆に言えば立場の弱い非正規公務員とみればどう出てくるか、容易に想像がつきます。
結局
窓口でトラブったら、即えらい人のところに回すシステムにしなきゃ現場が偉いことになりますよ。もっというと一番偉い総理大臣が窓口にいるべきなんだよなあ、言い出しっぺなわけだし。
それが出来ないなら、せめてオンラインで申請させるようにしないと。
窓口で書類の不備とかチェックさせたらダメです。
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